デザイン、機能をブラッシュアップ
アウディA4がマイナーチェンジ

公開日

ライター 高橋陽介

アウディA4が大規模なマイナーチェンジを受けた。外観デザインの一新に加え、12Vマイルドハイブリッドシステムの新採用や安全装備の充実化など、フルモデルチェンジと言えるほど変更点は多岐に及んでいる。

見た目はほぼ新型。デビュー5年目の大変革

2016年の発売開始(本国では2015年)以来、初めての大掛かりなマイナーチェンジが行われたA4。まず目を引くのは天地が狭められ、横方向に広がったシングルフレームグリルや新デザインのLEDヘッドライト。フェイス周りの意匠を変えることはマイナーチェンジの手法としては特に珍しいものでは無いが、新しいA4の変化はそこだけに止まらない。マッシブなブリスターフェンダーや、プレスラインがより立体的にアレンジされた前後のドアなど、あらゆる部分に手が加えられ、外板部分で変わっていないのはルーフパネルだけでは?と思えるほどの変更が行われている。

高さを抑えつつ、より横長になったシングルフレームグリル。ボンネットとグリルとの接合部にスペースが与えられたことも新たな試みの一つ。ブロックパターンのウインカー部分が特徴のLEDヘッドライトも新デザイン。

張りのあるブリスターフェンダーの採用により、全幅は5mm拡大されている。コストがかかるドアやリアフェンダーなどの変更は、マイナーチェンジとしては極めて異例。主力モデルに賭ける、アウディの並々ならぬ意気込みが感じられる。

ハイパワーモデルのS4は大径オーバル形状の4本テールマフラーを採用。周囲を囲むマットグレーのディフューザーや、上段部のハニカムグリルもスポーティな印象をより一層強調。

インテリアは扱い易さを向上

すっきりとした水平基調のインテリアは基本的に従来型を踏襲したものだが、インフォテインメントシステムは処理速度が10倍高速化された最新のMIB3を初採用。センターの10.1インチディスプレイもメニュー内容の切り替えをコンソール上のコマンドダイヤル式からタッチ式に変更。カーナビのマップの縮尺調整も指の動きで可能な他、手書き入力や音声操作にも対応している。

タッチパネルで直感的な操作が可能となった10.1インチの高解像度ディスプレイ。もちろん、USBケーブルを介してスマホを接続すれば、ディスプレイ上で操作することもできる。

12Vマイルドハイブリッドシステムを新採用

A4に搭載されるエンジンは2種類の2リッター4気筒直噴ターボ。FFの「35 TFSI」は150馬力、4輪駆動(クワトロ)となる「45 TFSI」は249馬力を発生。両者ともベルト駆動式オルタネーターと12Vのリチウムイオンバッテリーを使用したマイルドハイブリッドドライブシステム(MHEV)を搭載。ブレーキング時に回生されたエネルギーはトランクフロア部のバッテリーに蓄電。時速55km以上でのコースティング(惰力走行)時にエンジンを休止させることができる他、スムースな復帰始動にも効果を発揮。アウディによると100km走行あたり、0.3リットルの燃費節約が可能になるという。さらに来年にはクリーンディーゼルモデルも導入予定。こちらも注目したいところだ。

出力が異なる2種類の2リッター4気筒ターボエンジンを縦置きに搭載。ミッションは7速Sトロニックが組み合わされる。WLTCモードによる燃費は35 TSFIが13.6km/l、45 TFSIが12.9km/lとなっている。

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オールロードクワトロ、S4も同時に登場

アクティブなイメージを強調したA4オールロードクワトロも併せてマイナーチェンジを実施。トレッドが15mm、最低地上高が50mm拡大され、持ち前の逞しさにより一層磨きがかけられている。機能面では走行モードを任意に切り替えることができるアウディドライブセレクトシステムにオフロードモードが追加。エンジンは従来のCYR型に変わり、A4の45TFSIモデルと同じDDW型2リッター4気筒ターボを新採用。最高出力は僅かながらダウンしているが、最大トルクは変わらず。もちろんA4と同様、マイルドハイブリッドシステムも搭載される。

トレッドと最低地上高が拡大されたオールロードクワトロ。エンジンのレスポンスやサスペンションの特性などを任意に切り替えることができる「アウディドライブセレクト」に悪路での走破性を高めるオフロードモードが新たに追加された。

A4シリーズきってのホットバージョン、S4も変更を受け、外観を一新。バンパー上部、ボンネットとの境界線部分には往年のスポーツクワトロをモチーフとしたスリットを採用。リアアンダーからのぞくデュアルテールマフラーも、迫力を漂わせている。こちらはパワーユニットに変更は無く、354馬力の3リッターV型6気筒に8速ティプトロニックという仕様となっている。

戦略的なプライス設定

今回のマイナーチェンジではA4/A4アバントともにグレードの呼称が従来までのベース、スポーツ、Sラインから、ベース、アドバンスト、Sラインの3種類に変更された。注目はそのプライスレンジ。2016年の初期モデル登場時の車両本体価格は518万円〜624万円であったのに対し、新しくなったA4は455万円〜627万円(いずれもA4セダンでの比較)。安全装備や環境性能など大幅なアップグレードが行われながら、より身近となった価格設定は、強豪ひしめくDセグメント市場において大きな武器となるはずだ。

走行レーンからのはみ出しを抑止するアウディアクティブレーンアシストや、駐車スペースからバックで出る際に目の届かない後方の視覚をセンサーが検知し、ドライバーに知らせるリヤクロストラフィックアシストをはじめ、様々な安全サポート機能を標準装備。スマートなイメージのアウディにお買い得、という表現は適切では無いかも知れないが、実質的な値下げは反響を呼びそうだ。

1972年に登場したAudi 80から進化を続けるAudi A4。この動画では、9世代目となるA4の進化のポイントについて紹介。流麗なデザインに加え、先進の技術により走行性と安全性を兼ね備えたAudi A4の魅力を、ご覧ください。

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