最高出力400馬力
5気筒ターボの強烈なパフォーマンスに昂ぶる!

公開日

muto編集部

卓越した動力性能を備えたアウディのRSシリーズに、新たに追加されたQ3/Q3スポーツバック。発売開始は昨年12月8日。本格的なデリバリーはまだまだこれからという中、アウディ福岡中央、アウディ福岡マリーナの協力のもと、試乗インプレッションの機会を得ることができた。

RS Q3の2代目モデル

初めてRSの名を冠したアウディ、RS2がデビューしたのは1994年のこと。メーカー仕立てのスーパースポーツバージョンというと、そのカタチは2ドアクーペを思い浮かべる人も多いと思うが、RS2のベースとして選ばれたのは、なんとアバント(ワゴン)だった。エンジンは315馬力の5気筒ターボを搭載。トランスミッションは当時、一部のスポーツカーにしか見られなかった6速マニュアルを採用。車両の開発にポルシェが参画していたことも話題となった。その後、2000年に登場した2番目のRSモデル、RS4もアバントのみの設定であったが、A6ベースの3世代目(RS6)からはセダンボディも追加。その後もラインナップの拡充が図られ、現在はコンパクトハッチのRS3から2ドアクーペのTT-RS、SUVのRS Q8まで、11種類もの車体バリエーションを展開している。

フェイス周りの造形部分以外の変更点としてはフェンダーアーチパネルの追加により15mmワイド化された全幅や、10mmの車高ダウンなどが挙げられる。取材車両はウインドゥフレームやリアアンダー部分などのクロームメッキ類を無くしたブラックスタイリングパッケージ仕様

先代のQ3 RSはSUVのみだったが、現行型はクーペ風のルーフラインを持つスポーツバックの追加により2種類のボディタイプからの選択が可能となった。シングルフレームのオクタゴングリルや両サイドの大型インテークダクトが与えられた精悍なフロントマスクが特別なモデルであることを静かに物語るが、これまでのRSシリーズの慣例通り、派手なエアロパーツ類などによる過剰な演出は行われておらず、外観はシンプルな佇まいが守られている。

オーバル形状のマフラー開口部を備えたリアバンパーもRS Q3の専用デザイン。ルーフスポイラーは後端に空力特性を高めるフラップが追加されている

21インチサイズのアルミホイールはオプション。ブレーキキャリパーもオプションで塗装色を変更できる。走りをよりハードに追求するなら、セラミックディスクローターもお勧め(75万円のオプション)

スポーツマインドを高める特別装備の数々

 RS Q3に搭載されるエンジンは、最高出力400馬力、最大トルク48.9kgmを発生するオールアルミ製の2.5リッター直列5気筒・直噴ターボ。メーカー公表値によると、静止状態から時速100km/hまでの加速は僅か4.5秒という性能を誇る。またこのエンジンは世界のモータージャーナリストらによる「インターナショナルエンジンオブザイヤー」の2リッター〜2.5リッタークラスにおいて、9年連続ベストエンジン賞に選ばれている。トランスミッションは7速Sトロニックが組み合わされ、駆動方式は伝統のクワトロ、フルタイム4WD。サスペンションはRS Q3用にチューニングが施された専用品となっており、標準仕様のQ3に対し車高は10mmローダウン。ホイールは20インチが標準で、取材車両が履く21インチサイズはオプション。その他、インテリア面などにおけるRS Q3の専用装備としては、フラットボトムタイプのステアリングや、画面が12.3インチに拡大されたアウディバーチャルコクピット、RSのロゴ入りアルカンターラ/レザーシートなどが挙げられる。

400馬力を発生するオールアルミ製2.5リッター5気筒ターボエンジン。基本部分はRS3やTT-RSと共通だが、RS Q3では最大トルクの発生回転数が若干高められている

フラットボトム形状のRSレザーステアリングやひとまわり大型化されたアウディバーチャルコクピット、ステンレス製ペダルなど、数々のRS専用アイテムが投入されたインテリア

バックレスト部分にアルカンターラを用いたRS専用スポーツシート。六角形のブロックパターンが並んだ、ファインナッパレザーシートもオプションとして用意されている

想像を大きく超えるアグレッシブさ

「スペックはずいぶん勇ましいが、見た目はSUV風だし・・」と、過度な期待は抑えつつ試乗に出発。近年の高性能車と同様に、このクルマにもエンジンやサスペンションなどの特性をタッチパネルで調整できるアウディドライブセレクトが備わるが、まずはドライバー自身のナラシのため、AUTOモードで走行。それでもフィーリングは昨年試乗した標準仕様のQ3より格段に力強く(当たり前の話だが)、フットワークも引き締まったスポーツ志向であることを実感。
さて、ひと通りウォームアップを終えたところで、セッティングを細かく切り替えてみる。RS Q3のアウディドライブセレクトは「コンフォート」、「ダイナミック」などの基本設定に加え、ステアリングのギアレシオやクワトロシステム、エンジン音など、より細かな項目の変更が可能となっている。というワケで、せっかくなのでモノは試しにと、すべてを激辛モードしてみたところ、走りは一変!

強力なパワーユニットと、スムース&クィックな7速Sトロニックをパドルで操りながらのドライビングは、楽しい!の一言。大径ホイールに35扁平というロープロファイルタイヤの組み合わせによる不当な硬さも感じられず、乗り心地はいたって快適

エンジン音やクワトロシステムの特性など、より細かな設定が可能となったアウディドライブセレクト。RS1、RS2と、2つのパターンを登録しておくことで、他のモードを使用中でもステアリングのスポーク部のスイッチ操作で瞬時に切り替えられる。各設定の変化も明確で、「自分ベスト仕様」のRS Q3に仕立てることができる

白状すると、前述した「エンジンオブザイヤー」のくだりは完全にプレス資料の受け売りで、そんな選考会があることすら知らなかったが、9年連続受賞の実力はカケ値ナシに本物。車重1.7トンのSUVに乗っていることを忘れさせるほどシャープかつパワフルなフィーリングには、思わず笑顔に。
今回はアウディ福岡中央から厚意を頂き、いつも以上に十分な試乗時間を設けることができたが、それでも車両の返却時には「もうひとっ走り、したいなァ」と、未練タラタラな気持ちで帰路についた次第だ。

今回の取材車両の車体色はデイトナグレーパールエフェクト。突出した走りの個性を持つクルマだけに、キャラミグリーン(右)やタンゴレッドメタリックなど、攻めのカラーでキメてみるのもアリだと思う

アウディRS Q3スポーツバック
全長×全幅×全高(mm) 4505×1855×1555
車両重量1730kg
排気量 2480cc
エンジン 直列5気筒4バルブDOHCインタークーラーターボ
最高出力 400ps/5850〜7000rpm
最大トルク 48.9kgm/1950〜5850rpm
トランスミッション 7速Sトロニック
サスペンション (前)ストラット/(後)ウィッシュボーン
車両本体価格 ¥8,630,000

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Audi正規ディーラー Audi福岡マリーナ

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