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福岡のうつわ屋さん巡り おすすめ3選|食の専門サイト”UMAGA”セレクト

公開日

muto編集部

福岡のうまいものを探求するWEBマガジン「UMAGA」は、福岡のグルメたちを唸らせる記事が毎日更新されています。その中から、muto読者にオススメの情報をセレクトして定期的にお伝えします。今回は、福岡の気になる器のお店をご紹介します。

自分の気持ちを整え、暮らしに寄り添う器 LIFE IN THE GOODS.(ライフ イン ザ グッズ)

今回紹介するのは、福岡市大手門にある「LIFE IN THE GOODS.」。

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窓の先に福岡城址の景色が広がるビル2階の店舗には、10年前と同じように穏やかな空気が流れ、店主・羽田裕行さんがいつもの笑顔で迎えてくれます。変わらないものがあるなかで、変化もありました。オープン当初は、さまざまな生活用品を扱っていましたが、現在は暮らしのなかでも「食」にフォーカスし、陶磁、木、ガラスの器の作家20名ほどの作品を扱うギャラリーとなっています。

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「オープンして2年経った頃に作家の展覧会をしてみたところ、自分のやりたいことはこれだと気づきました。その後、作家の人となりを含めて作品の全体像を紹介できる展覧会を中心にしています」。すべての作家のもとへ直接会いに行き、交流を深めているという羽田さんらしいスタンスを感じます。「工房を見るのが好きなんです。道具がきっちりと整理されていたり、影響を受けたものが飾られていたり、白い器を作る人は真っ白のアトリエだったりすることも。バックグラウンドが見えることで自分のなかでの理解も深まります」。現在は月に1度は展覧会を行っているそうです。

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兵庫県「ふじい製作所」のスープボウル(左・13,200円)、高台椀(11,000円)。「スープやお味噌汁など、毎日使うものだからこそ漆器を使ってみて欲しい。独特のとろみのある口当たりは漆ならではです」と羽田さん。シンプルな形状と現代の食卓に溶け込みそうな形は気負わずに使えそうですね。

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大阪府「翁再生硝子工房」の「重なっちゃうコップ」(左・3,300円)、ボウル(4,620円)。お酒や調味料などのガラス瓶を再生させて作られるガラスの器は、独特のゆらぎや色味が魅力です。左のグラスは食堂などで使われるグラスをモチーフにするなど、着眼点もユニークですね。5月には「LIFE IN THE GOODS.」で個展を開催予定です。

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お店を営む楽しさを聞いたところ「自分が選んだものに共感して使ってくれる人がいることがうれしい」と笑顔がこぼれた羽田さん。そのシンプルな言葉に、ものを選ぶまっすぐな気持ちを感じました。もうすぐ10周年、これからの「LIFE IN THE GOODS.」も楽しみです。

「LIFE IN THE GOODS.」の詳しい情報はコチラ

ちょっと背伸びすれば手に入れられる、とっておきの器 うつわ屋 フランジパニ

次に「うつわ屋フランジパニ」におじゃましてきました。福岡に住む器好きの方なら知らない人はいないほどの人気店。室見団地近く、福岡市南庄の住宅街の一画にお店を構えています。

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お店を営むのは地蔵(ちくら)俊一郎さん・朋子さん夫妻。ご自宅兼店舗ということもあり、暮らしの息遣いが聞こえてきそうな雰囲気の店内に、数々の器が並んでいます。今回は俊一郎さんにお話をうかがいました。佐賀県唐津市出身に生まれ、幼いころから唐津焼の作家作品が日常だったといいう朋子さん。20代半ばの頃から1つ5,000円ほどのマグカップを使う朋子さんを見て、俊一郎さんは驚いたそうです。「妻と暮らすうちに手しごとの器が心にもたらす癒しを感じるようになって。いい器を使うと料理やコーヒーがよりおいしく感じられるんですよね」と器に魅せられていきます。結婚したお2人は、引き出物に器を選ぼうとしたものの、ギャラリーのような雰囲気のお店に敷居の高さを感じたそう。そこで、雑貨店の延長のような気軽に入れる器のお店があればと2004年に「うつわ屋 フランジパニ」を開きました。

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セレクトの基準はシンプルで飽きずにずっと使えるもの、そして高価すぎないもの。器に興味を持ち始めた若い世代もちょっと背伸びをしたら購入できる価格帯の作品を選んでいるそうです。「作品のよさはもちろんですが、ご本人に会って人柄も大好きになった人のものだけを取り扱っています」と地蔵さん。最初は一般のお客として作家さんと話して器を購入し、使い心地をしばらく試したのちに取り扱いの相談をするのだそうです。

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ここで私が気になった器をご紹介。この3点は、つい先日までこちらで作品展を行っていた宇田康介さんの作品。滋賀県甲賀市の信楽に窯を構え、妻・令奈さんとともに器を作っている方です。手前から「粉引 輪花 六寸皿」(3,080円)、「グラタン皿セット」(3,850円)、「湯のみ」(各1,100円)。粉引きや飴釉、鉄釉など信楽の伝統を用いながら、モダンな印象の器は現代の食卓にフィットするものばかり。優しい手触りも心地よく、普段使いに活躍しそうです。

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また「フランジパニ」といえば、ホームページから始まり、現在はInstagramで発信する「我が家の食卓」という、地蔵さん家の食卓の様子を紹介するコンテンツが人気です。Instagramのフォロワーは今や10万人以上! おいしそうな料理、そして素敵な器。コーディネートや献立の参考に、見ているだけでも楽しいですよ。

「うつわ屋 フランジパニ」の詳しい情報はコチラ

表情いろいろ、編集者が選ぶ全国各地の手しごとの器 KUJIMA

最後に2016年に白金にオープンし、2018年に同町内の現在地に移転した「KUJIMA」を紹介します。
誰かの家におじゃまするような気分で扉を開くと、そこに広がるのは器好きにはたまらない空間!全国各地で創作をする40前後の作家の作品が紹介されていて、シンプルなものから力強い印象のもの、繊細なものなどさまざまなテイストの器が並んでいます。福岡ではあまり見かけない作家の作品もあり、新しい出会いに期待できるのも「KUJIMA」の魅力。オープン当初は陶磁器が中心でしたが、最近はガラスや木工作家のものも扱っています。

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お店を手がけるのは、雑誌などを中心に活動する編集者・久島剛さん。自身が興味のあるものを発信するメディアのようなお店をもちたいと考えていた頃、取材で訪れた沖縄の陶芸工房で陶磁器の魅力に目覚め、器のお店を開くことを決めたそうです。「取材では、公開されていない制作の風景を見ることができたり、作り手の思いを深く聞くことができます。その時に感じた陶磁器の面白さをほかの方にも伝えたいと思いました」と語ります。その後、陶磁器を扱うためにはその真髄を知っておきたいという思いから、自身も3年間ほど陶芸教室に通い、技術を習得。その経験が器を選ぶ確かな目となり、現在に生かされているそうです。

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セレクトの基準は、料理を引き立てるもの、毎日使っても飽きないもの、普段使いしやすいもの。「手作りした料理でも買ってきたものでも、気に入った器に盛りつけることで食事の時間が豊かになります。またこの器なら何が合うかなど考える時間も楽しいですよね」と久島さん。

こちらは大山育男さんの「ワイドリム7寸皿(直径21.5cm、高さ1.5cm)」(左:灰瑠璃釉 4,510円、右:スノーグレー釉 4,735円)。洋食器を思わせるシンプルな形に、地元の原料を用いた深みのある釉薬がかかった器はどんな料理も引き立ててくれそう。新潟の雪をイメージしたというスノーグレーも大山さんならではの色味です。

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こちらも新しく取り扱いが始まったという沖縄県南城市の平良みどりさんの「朝顔鉢(直径14cm、高さ6.5cm)」(各3,300円)。沖縄の自然を思わせる色使いやぬくもりのある風合いが特徴です。料理だけでなく、アイスクリームなどのデザートにもちょうどいいサイズです。

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こうやって器を見ていると、どんな料理に合わせようかと気分が高まりますね。私も器の説明を聞いているうちにその魅力に引き込まれ…新しいお皿が我が家の食器棚に加わることに!きっと使うたびに久島さんから聞いたエピソードを思い出すことでしょう。

「KUJIMA(クジマ)」の詳しい情報はコチラ

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