2020年「アジアのベストレストラン50」が決定。日本は最多の12軒のランクインで、アジアを牽引。

佐賀県・武雄市で予定されていた2020年「アジアのべストレストラン50」アワードセレモニーは残念ながら中止となり、アジア全域でのオンラインストリーミングによるバーチャルイベントとして実施された。日本は東京・赤坂のCROSS TOKYOが会場となり、受賞したシェフと関係者達が歓喜に沸いた。

「アジアのベストレストラン50」は、各地域のフードライター、料理研究家、シェフ、レストラン経営者、著名な美食家などから構成されたアカデミーメンバーによる投票で決定される。毎年アジアの各都市でアワードセレモニーが開催されてきたが、2020年は佐賀県が開催パートナーとしてこの盛大なるシェフの祭典のホストを勤めるはずであった。しかしながら新型コロナウィルスのパンデミックにより中止が決定。風光明媚な自然と豊かな食材の宝庫・佐賀にアジアのトップシェフ達が集う機会を失ったことは非常に残念でならない。主催者は、レストラン業界が置かれた〝かつてない状況〟の中で、レストランの復興を支援し、この一年の互いの実績を認め合うことが重要だと考え、3月24日・日本時間午後5時よりバーチャルイベントを実施した。日本からのランクインは次の通り

3位	傳（東京）
7位	フロリレージュ（東京）
9位	NARISAWA（東京）
10位	ラ・シーム（大阪）※イネット・ダム社シェフズ・チョイス賞
17位	イル・リストランテ　ルカ・ファンテン
24位	日本料理龍吟（東京）
29位	茶禅華（東京）
35位	オード（東京）※初ランクイン
39位	イヌア（東京）※初ランクイン
40位	ラ・メゾン・ドゥ・ラ・ナチュール・ゴウ（福岡）
46位	鮨さいとう（東京）
49位	レフェルヴェソンス（東京）

九州・福岡からは唯一、ラ・メゾン・ドゥ・ラ・ナチュール・ゴウの福山剛シェフがランクイン。2020年12月に閉店〜2021年に過去4年連続で「アジアのベストレストラン50」NO.1を受賞したバンコクのガガン・アナンドシェフと一緒に新レストラン「Gohgan」をオープン予定。Gohとしては最後の受賞となった。2016年初受賞から、世界中のシェフの刺激を受け進化し続ける福山シェフ。その中で再確認したのは「九州食材の豊かさと品質の高さ」。世界から、そして福岡市民から愛されるGohの料理を味わえるのもあと僅かだ。

シェフ達が選ぶ「イネディット・ダム社シュフズ・チョイス賞」受賞のラ・シーム高田祐介シェフ。独創的な料理は、シェフ達の評価が高いことを実証した。「この賞はやっと一人前のシェフとして認められた証なので素直に嬉しいです。地方の出身でも、日々努力すれば、このようなステージに立てるということを若い人たちに知って欲しいし、僕らは次の世代に技術や感性を引き継がねばならい使命がある」と語る九州・奄美大島の高田シェフ。人材難の料理界だが、高田シェフの門を叩く若者は多い。

アジアのベストレストラン50 日本チェアマン中村孝則氏は次のように語った「佐賀県、そして九州の魅力を世界に発信するチャンスだったのに中止となり非常に残念でした。しかし、ライブビューイングでシェフの皆さんと受賞の一瞬を共有出来たことは貴重な時間でした。今回は日本のレストランの方達だけでしたが、シェフ達がお互いを讃え合い、国境を超えてその文化を理解し、食を通じで交流を深めていくことが大切なんだとあらためて感じています。チェアマンとして、来年の日本開催へ向けて招致をサポートしていきたいです」