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髙取焼と小石原焼
生活雑器としての道を歩みながら、独自の芸術美を確立した小石原焼。
その歴史は、天和2年(1682)、黒田3代藩主・光之が招いた肥前・伊万里の陶工が中国風の磁器を伝え、既に小石原にあった髙取焼と交流することで形成されましたといわれています。
その技法は、飛び鉋、刷毛目、櫛目、指猫、流し掛け、打掛けなど多彩です。
一方、髙取焼は、豊臣秀吉の朝鮮出兵の際に西国大名たちが多数の朝鮮人陶工を連れ帰り、各地に焼き物の窯を開かせました。
福岡藩主黒田長政もその一人で、連れ帰った陶工八山(日本名・髙取八蔵)に直方市鷹取山の麗に窯を築かせたのが髙取焼の始まりといわれています。その後、現在の福岡県直方市や、山田市、飯塚市に窯を移し、茶人小堀遠州の指導を受け「遠州髙取」様式がほぼ完成します。
4人の手仕事 ~もう1つの髙取焼・小石原焼~開催
2021年8月23日(月)~8月29日(日)まで、アクロス福岡2F匠ギャラリーにて、『4人の手仕事 ~もう1つの髙取焼・小石原焼~』が開催されます。
東峰村で作陶する4人の陶芸家の作品が展示販売(約400点展示)されます。
このイベントでは、ニッポン手仕事図鑑企画の家庭画報とのコラボレーションから生まれた新しいライフスタイル、新しいカタチの器が並びます。
小石原焼 長沼武久(辰巳窯)
辰巳窯は小石原で採れる土や原料を使用し、薪窯にこだわって作陶している窯元です。自然の力で焼き上げたうつわは素朴な土の風合いをそのまま感じられます。普段使いの食器やコーヒードリッパーをはじめとする生活の道具を日々作っています。
髙取焼 髙取七絵(髙取焼宗家)
およそ420年前より黒田藩の御用窯として茶陶の髙取焼を作り続けてきた直系の窯元です。代々伝わる秘伝書により調合された『七色くすり』と呼ばれる様々な色合いの釉薬が特徴。独自のオリジナルの粘土と薪窯での焼成により、薄くて軽い陶器は、唯一無二の作品として愛好者が多いです。
最近は茶陶だけではなく、生活に潤いを与える器作りなども制作しています。今回も茶陶作りの技術や製法はそのままに、普段使いにもできる器を展示しています。
小石原焼 太田剛速(まるた窯)
「まるた窯」太田剛速は20代の頃、イギリス・スペインなどに渡り修行をした経験から小石原焼の伝統的技法と「和と洋」・「用の美」が融合した特徴的な窯元。先人の匠の技と心を継承しながら「生活様式が変われば作るものも変わらなければならない」と日々試行錯誤の挑戦を続けて、オリジナリティと伝統技法を掛け合わせた作品作りを進めています。また、海外でのビエンナーレグランプリ受賞をはじめ国内外で数多く受賞。
小石原焼 熊谷智久(やまぜん窯)
「陶び(よろこび)を、くらしのなかに」をテーマに、日々のくらしに彩りを与え、楽しく、豊かに、よろこびあるものに。そんな思いでモダンでシャープ、彩りにグラデーションを施した、丁寧なものづくりを心がけています。
心に寄り添う優しい時間、癒しの空間を
髙取焼、小石原焼の新しい一面が垣間見れる機会です。会場には秋をテーマにした器も用意されます。
会期中は4人が日替わりで在廊されるそうです。
*予定しておりました「体験」は、新型コロナウィルス感染症拡大防止のため中止となりました。
INFORMATION
催事名
4人の手仕事~もう1つの髙取焼・小石原焼~
期間
2021年8月23日(月)~8月29日(日)
時間
10:00~18:00(初日12:00から最終日16:00まで)
会場
アクロス福岡2F 匠ギャラリー
主催
辰巳窯、まるた窯、やまぜん窯、髙取焼宗家
お問い合わせ
アクロス福岡文化観光情報ひろば
092-725-9100