福岡の高級食パン専門店を巡る|鎌倉屋@福岡市東区

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戸田かおり

おいしいパン屋さんが多い激戦区でもある福岡市東区で、2018年11月にオープンして以来、人気の「贅沢生食パン工房 鎌倉屋」。ほかではなかなか見られないようなフレーバー食パンもそろえ、近くのファミリー層はもちろん、わざわざ車で買いに来るファンも多いそう。

一番人気は、「贅沢生食パン」

「贅沢生食パン工房 鎌倉屋」で圧倒的な人気を誇っているのは、プレーンな「贅沢生食パン」です。しっとりとしたシルクのような柔らかな生地で、手でちぎっても、口に入れても、ふんわりと優しい質感が印象的です。

焼きたてから数日かけて、おいしさが変化するのもこのパンならではの醍醐味です。焼きたてはそのままちぎって、もっちりふわふわな食感を楽しんでください。少し時間が経ち、冷めた頃にちぎると、さっきより甘みが増して、しっとり柔らかな質感に変化したことが感じられるはずです。翌日も、しっとり&ほのかな甘さは楽しめますが、常温保存で3日目〜5日目は、トーストやサンドイッチにして食べたり、フレンチトーストにしてもおいしく召し上がれます。

↑「贅沢生食パン」、耳まで柔らかそうなのが見た目からも伝わってきます。

↑自宅でフレンチトーストにしてみましたが、絶品でした(パンのおかげです)。

店主の平野さん曰く、この「贅沢生食パン」の開発にはかなり苦労があったそうで「私自身、ベーカリーレストランで働いていた経験があり、パンにはかなりうるさい方なんです。しかも、食いしん坊なので、おいしさ+しっかりした食べ応えもほしい。福岡にはおいしいパン屋さんがたくさんありますから、せっかくだったらうちでしか出せないものを出そうと素材や配合、おいしさには相当こだわりました」。

素材、工程、こね具合や温度・時間の管理、発酵の時間など、工夫のしどころは無限大だったと言います。数カ月かけ、1,000本以上焼いて、やっと完成したと思えたときにはもうオープンが迫っていて焦ったことも今となってはいい思い出と笑います。

「贅沢生食パン工房 鎌倉屋」らしさを尋ねると、「一言で言えば『ふんわりもちもちほんのり甘い』だと思います。ふんわり柔らかいというだけじゃなく、気泡があまりなく、もっちりとした重みも大切にしているので、しっかり食べ応えがあると思います。あとは何もつけずそのまま食べてもほんのり甘くて物足りなさはないはずです」。

定番3種類と季節替わりが1種類

↑彩りも美しい「常盤緑宇治金時」と「撫子博多めんたい」、どちらもハーフサイズは、400円(税別)。

・常盤緑(ときわみどり)宇治金時
贅沢生食パンをベースに、嬉野の茶葉を使い、ほんのり香る抹茶のほろ苦さと国産小豆の甘さが絶妙にマッチ。

・金糸雀(かなりあ)オレンジ
贅沢生食パンをベースに、スペイン産のオレンジとレモンを練り込んだ一品。オレンジの甘さとほろ苦レモンが相性抜群。

・撫子博多めんたい
贅沢生食パンと博多明太子がコラボ。しっとりとした生地とクセのない明太子の味わいが新鮮。チーズにも合うとか。

この「贅沢生食パン」をベースにした基本のパンがあと3種類と季節替わりのパン1種類をそろえます。季節替わりの食パンは、その時々変わるのでホームページやインスタで情報をチェックして、予約をしておくのが確実です。

↑取材当時(2020年9月時点)は、「くるみキャラメルピスタチオ」で、早い時間に完売するほどの人気ぶりでした。

手作りにこだわり、20年春からはサンドイッチも

値段はどれも共通で1本(2斤)・800円(税別)、ハーフサイズ(1斤)があるものは400円(税別)。

オープン以来、最低限の工程でしか機械を使わず、できる限り、人の手で粉や水と向き合いながら作っています。食パンは、とてもシンプルな素材から作られている分、ごまかしがききません。季節や気候によって繊細に変化していく素材の声を聞き、真摯においしさを引き出していくことに全力を注いでいるそうです。

オープンから約1年半は、食パン5種類だけを販売してきましたが、2020年春から、サンドイッチにも挑戦しています。その日の食材やスタッフさんの計らいで種類は変わりますが、季節のフルーツや、チキンや卵などを使ってつくります。

フルーツサンドで使う生クリームは、動物性の本物の生クリームにこだわり、あくまでもパンとフルーツのおいしさに寄り添う控えめな甘さに仕上げるなど、随所に細やかな配慮が光ります。不定期で月に数回登場するので、こちらもホームページやインスタでチェックして、売り切れる前にぜひ手にしてください。

↑この日は、きめ細かい質感でほんのり甘い「厚焼き玉子サンド(294円・税別)」。

↑時期が近くなると店頭に予告カレンダーが登場。サンドイッチは予約不可。

20年秋には2号店もオープン

「パンがおいしいのは当たり前ですが、雰囲気やサービスも含めて大事にしています。常に、『笑顔の応対、感謝を込めて』の気持ちでお客さまにもっと喜んでいただくために、日々アップデートしていければ」という言葉通り、パン以外にも通いたくなる要素が随所にありました。

パンに合うジャムやコンフィチュールも、うきはのフルーツや新鮮な野菜を使ったものを店主がセレクト。この店のために工房で作ってもらっているのだとか。オリーブオイルや塩なども販売しています。贈答用で食パンを贈られる場合は、パンにつけて楽しめるものも一緒に贈ると、より一層喜ばれそうです。

この秋には、福岡工業大学前エリアに2号店をオープン予定。そちらにはイートインスペースも設け、オープンサンドやフレンチトーストも展開していくそう。1号店とは違った空間や雰囲気になるそうで、新しいチャレンジに今から期待が高まります。

↑パンのおいしさを引き立ててくれる瓶物も見逃せません。

↑JR鹿児島本線箱崎駅から東へ徒歩約9分、こちらの看板が目印です。

INFORMATION

店名

贅沢生食パン工房 鎌倉屋

住所

福岡市東区原田2-31-2

営業時間

10:00〜19:00(完売次第、終了)

店休日

年末年始・盆・GW・不定

電話

092-611-7498(なましょくぱん)

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