宗像大社

大和朝廷より捧げられた神宝の数々
世界遺産 沖ノ島の「神々への美宝」展開催中

公開日

muto編集部

宗像大社神宝館(福岡県宗像市)や九州国立博物館(太宰府市)など福岡県内の五つの博物館・資料館が連携し、世界遺産「『神宿る島』宗像・沖ノ島と関連遺産群」の最新の調査研究成果を披露する展覧会「ムナカタ-祈り・暮らし・交わり-」が始まりました。

「神宿る島・沖ノ島」とは

2017年に世界遺産に登録された「『神宿る島』宗像・沖ノ島と関連遺産群」。
そもそも沖ノ島とはどのような島なのでしょうか?
九州本土から約60㎞離れた玄界灘に浮かぶのが沖の島。
沖ノ島は、福岡県、宗像市の宗像大社の境内地にあると位置づけされています。

この島で、4〜9世紀にかけて、国家の安寧を願う国家的な祭祀が行われていました。

沖ノ島

沖ノ島への入島は原則禁じられ“島にあるものは一木一草一石たりとも持ち帰ってはならない”、“島で見聞きしたことを漏らしてはならない”などの禁忌があります。

沖ノ島

その沖ノ島には、古代祭祀の実態を伝える宝物が数多く現存していました。
昭和29年から始まった調査によって、4世紀から9世紀にかけての国家祭祀の痕跡とされる神宝類が発見され、現在8万点が国宝に指定され、宗像大社の神宝館に保存されています。

宗像大社神宝館で「神々の美宝」展開催中

国宝8万点を収蔵する宗像大社(辺津宮)内の神宝館で開催中の「神々への美宝」では、ガラス製玉類や銅鏡、金製品などの宝飾品を特別展示されています。

宗像大社

沖ノ島7号遺跡から出土した美しいガラス製玉(6~7世紀)は、青や紺、黄色などあわやかな色彩を備えている。調査の結果、古代ペルシャのサーサーン・グラスであることが科学的に確認されました。このことから、古代ペルシャ地方から中国大陸、朝鮮半島を渡り、九州の北端にまで当時の貿易ルートが整っていたこともわかります。

宗像大社

銅鏡は、鏡背面のひもをつり下げる「鈕(ちゅう)」周辺に施された装飾がよく分かるよう、拡大コピーした写真も同時に展示。神獣や神像など繊細な加工を見ることができます。

宗像大社

他にも金製品などの宝飾品も展示されています。

宗像大社

金銅製龍/敦煌の莫高窟の壁画に描かれており、竿先につけて口元から帳などを吊り下げる金具と見られている

宗像大社

奈良三彩小壺/唐三彩の技術をもとに日本で最初に作られた多彩釉陶器。大和朝廷が技術を独占し、製作したものとみられており、朝廷が沖ノ島祭祀を重要視した様子がうかがえる

沖ノ島

鉄刀/「三種の神器」と言われる鏡、勾玉、剣が沖ノ島からは発掘されており、鉄剣も多く発見されている。鉄製で実際に切れる実用品が捧げられていたと思われる

宗像・沖ノ島の最新研究展示 福岡の5博物・資料館が連携

実は、この企画、宗像大社神宝館の他に、九州国立博物館(太宰府市)など福岡県内の五つの博物館・資料館が連携し、世界遺産「『神宿る島』宗像・沖ノ島と関連遺産群」の最新の調査研究成果を披露する展覧会「ムナカタ-祈り・暮らし・交わり-」の一貫。各施設がそれぞれのテーマで古代ムナカタの姿を紹介しています。

各館の展示は以下の通りです。

宗像大社 神宝館 「神々への美宝」
神宝の荘厳美とそこに隠された匠の技を体感。煌びやかなガラス製品の研究成果も必見です。
~11月23日(月・祝)
9:00~21:00(入館は20:30まで)無休

九州国立博物館 「宗像海人の刀」
沖ノ島祭祀を担った宗像君の刀に注目。反りのない真っ直ぐな鉄刀は、古墳時代の主要な武器の一つです。
~12月23日(水)
9:30~17:00(入館は16:30まで)月曜休館
※11月23日(月・祝)は開館。11月24日(火)は休館。

海の道むなかた館(宗像市) 「古代ムナカタ海人の世界」
浜宮貝塚の出土品や沿岸部に分布する古墳の調査成果をもとに、謎多きムナカタ海人たちの実像に迫ります。
~11月29日(日)
9:00~18:00 月曜休館
※11月23日(月・祝)は開館。11月24日(火)は休館。

福津市歴史資料館 「新原・奴山古墳群調査研究の現在」
宗像三女神信仰を育んだ古代豪族、宗像氏の墳墓群「新原・奴山古墳群」の調査結果を展示解説します。
~11月30日(月)
10:00~20:00 火曜・毎月最終水曜休館
※11月3日(火・祝)は開館。11月4日(水)は休館。

九州歴史資料館(小郡市) 「福岡の古代豪族」
福岡の「筑紫君」や「宗像君」といった古代豪族の姿を出土品から解き明かします。
~11月29日(日)
9:30~16:30 月曜休館
※11月23日(月・祝)は開館。11月24日(火)は休館。

「ムナカタ-祈り・暮らし・交わり-」
公式WEB
コチラ

Information

展覧会名

「神々への美宝」

開催期間/時間

9月19日(土)~11月23日(月・祝)
9:00~21:00(入館は20:30まで)無休

入館料

一般/800円(600円)
高校生・大学生/500円(300円)
小・中学生/400円(200円)
※( )内は20人以上の団体および満65歳以

会場

福岡県宗像市田島2331 宗像大社神宝館

お問い合わせ

0940-62-1311(代表)

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