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フランス、スペイン、そして多国籍を味わう|食の専門サイト”UMAGA”セレクト

公開日

muto編集部

福岡のうまいものを探求するWEBマガジン「UMAGA」は、福岡のグルメたちを唸らせる記事が毎日更新されています。その中から、muto読者にオススメの情報をセレクトして定期的にお伝えします。今回は、今、福岡で話題のフランス、スペイン、多国籍料理のお店3軒を紹介します。

フランスの田舎町へトリップ?素朴で力強い料理とワインにしみじみ浸る KIFF(キフ)

福岡の中心部から電車に揺られて約20分。朝倉街道駅を降り、夕食の買い物や家路を急ぐ街の人をすり抜けて、私は一軒のレストランへやって来ました。県道から小道へ入ると辺りはぐんと静かで、黄昏時の空と空気は澄んでいます。
「築60年の物置となっていた古い納屋を改装してレストランにしようと思います」。
そんなインスタグラムの投稿を半年ほど前に見つけてオープンを心待ちにしていたこともあり、入店前からドキドキワクワクが止まりません。漆喰の壁に温もりのある木の扉を見つけたら早速中へ。ここが今回の目的地、今年の11月4日にオープンしたフランス郷土料理とナチュラルワインの店「KIFF」です。

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オーナーシェフの戸田朋典さんが笑顔で迎えてくれました。「KIFF」は2つの楽しみ方ができるお店です。ベンチや小テーブルを据えるエントランスと厨房に面したスタンディングのカウンターは15時から開店する「KIFF STAND」のスペース。予約なしでフラッと立ち寄り、小皿料理とナチュラルワインを気軽に楽しめます。

レストランスペースは完全予約制です。「ゆったりくつろいでほしい」との配慮から、1組ずつ入店時間(17時〜・18時〜・19時〜・20時〜)を区切っての案内となっています。加えて1人2杯以上のドリンクオーダーが原則で、ノンアルコールの場合は別途1人1,000円のチャージが必要。電話またはインスタグラムのDMから予約して出かけてくださいね。

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まずいただいたのは「惣菜野菜の盛合わせ」(1,200円)。古野農場のニンジンを使ったラペ、古処鶏のガラスープで炊いたレンズ豆、静岡直送の生マッシュルームのマリネ、フランス産の根セロリには自家製のマヨネーズソースを和え、旬のカリフラワーにはシブレットやディルが香るクリームソースを和えてあります。素朴ながらも食材の力強さが感じられ、ビネグレットの酸味やハーブ、エシャロットの香りといったフランス料理らしいアクセントがたまりません。

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ドイツやフランスの地方を巡りシャルキュトリーを食べ歩いたという戸田さん。そこで、機械を使って作り込むドイツ式のソーセージより、店の個性が光るフランスの手作りソーセージが自分の目指している味だと気付いたそうです。この「アンドゥイエット」(1,800円)は、そんな戸田さんの思い入れや経験が詰まったメイン料理。モツを使って作るフランスの伝統的な粗粒ソーセージで、福岡ではなかなか出合えないマニアックな逸品ですよ。

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完全に日が暮れると、店内と外観はますますノスタルジックな雰囲気に。どこか幻想的な景色と、舌や心に残る温かな余韻は、帰り道もしばらく醒めることがありませんでした。

「KIFF(キフ)」の詳しい情報はコチラ

生ハム職人”コルタドール”の称号を持つシェフによる本場のスペイン料理 EL CASTILLO(エル・カスティーヨ)

“CASTILLO”(カスティーヨ)とは、スペイン語で「城」の意味。長年スペイン料理を研鑽してきたオーナーシェフの城章洋さんが、自らの名を冠してオープンしたレストランが「EL CASTILLO(エル・カスティーヨ)」です。場所は春吉大通りから少し西側に入った横丁にあり、店頭にはためくスペイン国旗が目印です。

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店の雰囲気だけでなく、提供している料理もスペインの家庭や食堂で日常的に食べられているものばかり。スペインの惣菜・タパスをはじめとする多彩な料理が揃っています。最初に注文したのは「海老のアヒージョ」(1,100円)で、オリーブオイルで煮込まれたアツアツの海老を、冷えた白ワインとともにいただきました。

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次はこの店の名物である、カウンター中央に鎮座するスペイン産の生ハム「ハモン」です。本場スペインでは生ハムをカットする専門職人を”コルタドール”といい、城さんは2018年に日本で行われたコルタドール競技会で準優勝に輝いた熟練の職人。2023年に(一社)日本生ハム協会認定「生ハムエキスパート」を九州で唯一取得し、その手から切り出される本場直送の生ハムはまさに絶品です。
豚のもも肉を塩漬けにして加熱処理をせずに熟成させたハモンには、豚の品種や熟成期間によって数種類のグレードがあります。今回は希少なイベリコ豚を使った最高級品の「ハモンイベリコ・デ・ベジョータ」と、白豚を使った「ハモンセラーノ」の2種盛り合わせ(4,400円)を注文しました。芳醇な薫りと深いコクのあるイベリコとあっさりとした風味のセラーノそれぞれの持ち味が、赤ワインと絶妙なマリアージュを醸し出してくれます。

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メインにはスペインの首都・マドリッドの郷土料理で、牛モツとヒヨコ豆を煮込んだ「カジョス」(1,650円)を注文しました。城さんによると「スペイン料理は見た目は地味ですが、素材を活かした調理法が特徴です」というように、牛モツを丁寧に下処理してじっくりと煮込んだ滋味深い一皿。お腹の底から、ほっこりとするような味わいでした。

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グランドメニューには多彩なタパスをはじめ、スープやアヒージョ、チョリソ、バスクチーズケーキなどお馴染みのスペイン料理が並び、手書きのホワイトボードには、季節の食材を使ったおすすめ料理が書かれています。どれも現地の家庭料理や郷土料理を忠実に再現したもので、福岡にいながらして本場のスペイン料理を味わうことができますよ。

「EL CASTILLO(エル・カスティーヨ)」の詳しい情報はコチラ

路地に潜む多国籍なメニュー満載のスパイス料理専門店 UCHEE Spice Kitchen(ウッチースパイスキッチン)

香辛料やハーブが効いたスパイス料理を、定期的に食べたくなるのは私だけではないはず。王道のスパイスカレーはもちろん、さまざまな国の料理や店主の個性が効いた味が楽しめる飲食店も増えています。

赤坂のはなみずき通りから路地に入ったところにこの春オープンした「UCHEE Spice Kitchen」もその一つ。店主の内川信一郎さんは、以前、靴や革製品の修理工房を20年以上経営していたものの、料理好きが高じて飲食業界へ転身しました。

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ディナーメニューに並ぶのは、エスニックや中華などの多国籍料理。夏はビールに合う焼き餃子、冬は蒸籠(せいろ)を使った蒸し餃子など、季節に合わせてメニューも変更しているそうです。

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とはいえ、まずは定番の味を楽しむべく「前菜盛り合わせ」(1,200円)をオーダー。日によって内容が変わる前菜は、味や食感もさまざまで、鼻に抜けるスパイスの香りとともに酸味・苦味・辛味・甘味と一口ごとに楽しめます。この日は、砂肝や鶏肝のコンフィのほか、ゴーヤのスパイス和えやキノコを使ったインドの漬物・アチャールなど野菜が多めでヘルシーなのも嬉しいですね。もちろんお酒との相性も抜群です。

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冬メニューの「蒸し豚」(1,200円)は蒸籠で登場。韓国味噌と白ネギで漬け込み、しっかりと下味を付けた豚肉は、蒸すことで余分な脂が落ちて、ボリューミーながらもあっさり仕上げています。

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こちらはランチでも提供している「USKプレート」。ディナーはチキン(1,650円/ランチは1,300円)、えび(2,150円)から選べるので、この日はチキンカリーをチョイス。オーダーしてしばらくすると、厨房からスパイスの香りが漂い始め期待が高まります。

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スパイスを切り口に、多国籍なメニューが揃う「UCHEE Spice Kitchen」。一度食べるとクセになるスパイス料理の世界にハマッてみませんか。

「UCHEE Spice Kitchen(ウッチースパイスキッチン)」の詳しい情報はコチラ

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