住む憧れ「グランドメゾン」の人気の理由。
福岡のうまいものを探求するWEBマガジン「UMAGA」は、福岡のグルメたちを唸らせる記事が毎日更新されています。その中から、muto読者にオススメの情報をセレクトして定期的にお伝えします。今回は食の街・福岡が誇るイタリアン3件です。
閑静な住宅街で、若きシェフが創る力強くも美しいイタリア料理
『Osteria Falco(オステリア・ファルコ)』
イタリア料理店の中でも「オステリア」はリストランテやトラッテリアよりカジュアルな位置付けで、比較的リーズナブルな価格で食事が楽しめる店とされています。しかし、和食で料亭や割烹に決して引けをとらない料理を提供する居酒屋があるように、イタリアンでもリストランテに負けないクオリティの料理が食べられるオステリアがあります。今回は、そんな店の一つ「Osteria Falco」を訪れました。
30代前半の若きシェフ・植田雄介さんは東京のイタリア料理店で修業した後、イタリア北部の町・ボルツァーノに渡って勉強した経験の持ち主。本場の味に自らのアイデアを加えて力強さと美しさを兼ね備えたイタリア料理をリーズナブルに提供しています。
前菜の「花びら生ハムとブッラータチーズ」(1,980円)。
イタリア・プーリア州の名産「ブッラータチーズ」とサンダニエーレ産の最高級生ハムに、シチリア産の濃厚なオリーブオイルのシンプルな組み合わせ。
「トリュフとポルチーニ茸の軽いクリームソースのタリオリーニ」(1.650円)。
パスタはすべてシェフの手打ちで「国産の粉も使ってみましたが、うまくいきませんでした」と、数種類のイタリア産小麦粉をパスタによってブレンドしています。
メインには佐賀県伊万里市の松尾勝馬牧場のA5ランク伊萬里牛を使った「ファルコ式レアカツ〜マルサラ酒のクリームソース」(2,480円)。
赤身に程よく脂が入ったウチモモを低温で芯まで火入れした後、衣をつけて表面をカラリと揚げたジューシーな食感。
イタリアンで迷ったらココ! ハズレなしのアラカルトが目白押し『FIGO(フィーゴ)』
リーズナブルな価格で普段使いができるカジュアルなイタリア料理店「FIGO」。
何を食べてもハズレがない抜群の安定感から、いつも多くのお客さんで賑わっている繁盛店。もはや福岡のイタリアン好きにとっては欠かせない店となっています。
定番の前菜メニューは、季節によって食材が変わります。写真の「前菜の盛り合わせ」(1人前1,100円・写真は4人前)は、太刀魚と空豆と蕾菜のフリット、イワシの炙りとあたたかいポテトサラダ、ハガツオのカルパッチョ、海の幸のサラダの4種類です。
オーナーシェフの城戸敏宏さんは3年半にわたって本場イタリアで働き、北から南まで各地の郷土料理を習得。同業者からも一目置かれる腕前で、ふんわり柔らかい太刀魚をサクッと軽めに揚げたフリットやハガツオに添えたニラとケッパーのソースなど、福岡で手に入る食材を使いながら本場の味を再現しています。
シェフの地元・熊本県玉名市で自家栽培するバジルのフレッシュな香りが漂う「ジェノベーゼパスタ」(1,540円)。
海老とズッキーニを入れるのがFIGO風。
メインには鶏・豚・羊・牛・鹿などのジビエまで多彩な肉料理も揃っていますが、外せないのがスペシャリテの「海老のアメリカンクリームソース焼き」(1,980円)。
海老の頭や殻からダシが染み出たソースは、まろやかでコクのある旨みが凝縮された味わい。
アラカルトはグランドメニューと黒板メニューを合わせると何と50種類以上! 一品のポーションも多めなので2人以上でシェアすれば、あれも食べたい、これも食べたいという欲ばりに応えてくれます。イタリアンで迷ったら、まずここに来れば間違いありません。
尽きせぬ情熱で「究極の九州料理」を目指すイタリアンレストラン
『Ristorante Kubotsu(リストランテ・クボツ)』
「Ristorante Kubotsu(リストランテ・クボツ)」に勝る贅沢なレストランはありません。なにしろ食材はキュウリ1本、パセリ1束にいたるまで“ブランド品”。料理長の窪津朋生さんが産地を訪れ、生産者と話し、実食して採用を決めたものばかりなのです。
場所は警固公園向かいのビル4階。ここは以前、全国にフランス料理店やイタリア料理店を展開する「ひらまつ」が運営する「Ristorante ASO(リストランテ・アソ)天神」が入っていましたが、その料理長だった窪津さんが2018年に引き継ぎ、同系列の新店としてリスタート。
今や県内外のグルマンを魅了する、「ひらまつ」グループ屈指の人気店です。
糸島のイタリア人生産者・ザニンさんの黒キャベツを練り込んだスパゲティ。
半生で仕上げたアオリイカと桜海老の揚げ玉を合わせ、最後にカラスミを振ったアーリオ・オーリオです。
魚料理は、脂の乗りが頂点を迎えた有明海のスズキです。直前に薩摩黒じょかで熱々スープを注いでもらい、さっそく一口。パリッと焼いた皮目と柔らかな白身のコントラストが絶品で、熊本産アサリなどで取ったスープも複雑妙味。
「この店の主役は野菜と魚」と語る窪津さんですが、もちろんクオリティでは肉料理も譲りません。柔らかな身にたっぷり肉汁を蓄えた鴨のローストも比類なき完成度。それを一段高みに引き上げる美味なソースは「ひらまつ」伝統のヴァン・ルージュです。
現在も休日は西へ東へ飛び回り、究極の地産地消を目指す窪津さん。「イタリア人シェフが郷土料理を誇るように、僕も世界に誇れる九州料理を作りたいですね」。
「Ristorante Kubotsu(リストランテ・クボツ)」の詳しい情報はコチラ
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