松永安左エ門

電力王にして茶人。松永安左エ門の偉大な足跡

公開日

muto編集部

唐物文琳茶入 銘「宇治」 南宋〜元時代 13世紀 東京国立博物館蔵 撮影 藤本健八

福岡市美術館で、10月9日(土)〜11月21日(日)まで、特別展「没後 50 年 電力王・松永安左エ門の茶」が開催されます。

松永安左エ門とは?

松永安左エ門は、長崎県壱岐の商家に生まれ、幼名は亀之助。
慶応義塾へ進学し福沢諭吉に学びました。

その後、福岡での鉄道事業を足がかりとして電力業界で活躍し、「電力王」と謳われる大実業家になりました。1928年に論文「電力統制私見」を発表し、9電力体制による電気事業民営化案を提唱します。電力国家統制へと向かう時勢にあって受け入れられませんでしたが、その23年後、戦後の電力事業再編成の主導役となって自らの手で実現させました。

松永安左エ門は、還暦を機に茶の湯に親しみ、「耳庵」と号する茶人としての生活を送ります。

16年に及ぶ隠居生活において精力的に茶道具の名品を蒐集し、茶事を開き、茶人としての名声を高めました。

志野筒茶碗 銘「露香」

志野筒茶碗 銘「露香」 桃山時代 16~17世紀  福岡市美術館蔵 撮影:山﨑信一

戦後、電力事業民営化をはじめ日本の経済発展を支える数々の功績を残してゆく中でも、日々の生活の礎をなしたのは茶の湯でした。

名品蒐集にかける情熱も終生衰えることなく、屈指の日本・東洋美術コレクションを築き上げ、1959年に松永記念館を設立しました。

2021年10月9日〜11月21日の期間、福岡市美術館において松永安左エ門のコレクションを集めた展覧会『没後 50 年 電力王・松永安左エ門の茶』展が開催されます。

特別展「没後 50 年 電力王・松永安左エ門の茶」

松永安左エ門は、戦前戦後の日本の電力界で活躍した実業家であるとともに、高名な茶人・美術収集家としても知られています。

重要文化財 色絵吉野山図茶壺 野々村仁清(生没年不詳)

重要文化財 色絵吉野山図茶壺 野々村仁清(生没年不詳) 江戸時代 17世紀 福岡市美術館蔵 撮影 山﨑信一

本展は松永の没後50年を記念して開催する特別展です。

花籠図 尾形乾山(

芦屋松図真形釜 室町時代 15世紀 東京国立博物館蔵 撮影 藤本健八

重要文化財 花籠図 尾形乾山(1663~1743) 江戸時代 18世紀 福岡市美術館蔵 撮影 山﨑信一

菩薩半跏思惟像

重要文化財 菩薩半跏思惟像 飛鳥時代 7~8世紀 福岡市美術館蔵 撮影 山﨑信一

「電力王」とも称えらえた実業家としての活躍を物語る資料と、「耳庵」と号する茶人として
収集した日本・東洋の美術コレクションの名品の数々を通じて、松永の偉大な足跡を回顧します。

松永先生肖像

松永先生肖像 中村研一(1895~1967) 1936年 電力の鬼・松永安左エ門記念館蔵

特別展関連イベントも開催

[記念講演会]
「電力王が鬼となるまで 松永安左エ門の功績」
日時:10月23日(土)午後2時~午後3時30分
※午後1時より入場整理券配布 講師:定村隆久氏(電力の鬼・松永安左エ門記念館)

[つきなみ講座 特別編]
「電力王は数奇者となった 松永安左エ門の茶」
日時:10月30日(土)午後2時~午後3時30分
※午後1時より入場整理券配布 講師:後藤恒(福岡市美術館 主任学芸主事)

会場:福岡市美術館 1 階ミュージアムホール
定員:180 名、聴講無料・先着順
※新型コロナウイルス感染症拡大状況によって、定員等変更になることがあります。

Information

展覧会名

特別展「没後 50 年 電力王・松永安左エ門の茶」

場所

福岡市美術館
福岡市中央区大濠公園1-6

開催期間

2021年10月9日(土)〜11月21日(日)

開館時間

午前9時30分~午後5時30分
※7~10月の金・土曜日は午後8時まで開館
※いずれも最終入館は閉館の30分前まで

休館日

月曜日

会場

特別展示室

観覧料

一般1,300円(1,200円)、高大生800円(700円)
※前売り券はありません。
※( )内は20名以上の団体、満65歳以上の割引料金。
※身体障害者手帳、精神障害者保健福祉手帳、療育手帳の提示者とその介護者1名および特定疾患医療受給者証、特定医療費(指定難病)受給者証、先天性血液凝固因子障害等医療受給者証、小児慢性特定疾病医療受給者証の提示者および中学生以下は観覧無料

主催

福岡市美術館、読売新聞社、西日本新聞社

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