ーアイスショーのネーミングは英語というイメージがありますが『滑走屋』にはどんな思いが込められているのでしょうか。

【高橋大輔（以下、高橋）】 今年の5月に福岡で『アイスエクスプロージョン2023』を公演させていただきましたが、それとは全く異なるものにしたいという思いと今回の演者は日本人スケーターだけということから日本語のタイトルにしようと。そこから私たちは滑り出しを「滑走」と表現するので「滑走をする人たち」という意味を込めて『滑走屋』というタイトルになったんです。アイスショーはストーリー性をプログラム全体に持たせて、2時間ぐらいのステージにすることが多いのですが、今回は1公演75分という時間で休憩を挟まず一気に観ていただこうと考えています。その疾走感もこのタイトルで感じていただけると嬉しいですね。

ー『滑走屋』の初舞台の地に福岡を選ばれた理由について教えてください。

【高橋】 福岡はフィギュアスケートの競技者が全国的に見てそれほど多くありません。そのため5月の公演で初めてアイスショーをご覧になった方も多かったようです。ですが、多くの方からまたアイスショーが観たいですという感想をいただけたので、その約束を叶えたいと思い初公演の場所を福岡にしました。今回は時間も短く、アイスショーとしては低価格。さらに3日間で9回公演と公演数も多いので、より多くの方にアイスショーを体験していただけたらと願っています。

ー『滑走屋』での新たな試みなどはありますか。

【高橋】 75分間休憩なしの演目というのも新たな試みの一つですが、今回の振り付けは従来のスケーター出身者ではなく、ダンサーという点にも注目頂けたらなと思います。より自由な発想で考えられたダイナミックな演技をお見せできると思います。また、一人ひとりのパフォーマンスはもちろん、10名以上で編成するアンサンブルスケーターと絡む迫力ある演技も見どころです。力強さや疾走感を体感する新感覚の氷上のエンターテインメントをぜひ会場でお楽しみください。

演者としての円熟味を増す高橋氏の多彩な表現に加え、プロデューサーの表情も垣間見ることができるアイスショー『滑走屋』。高橋氏が生み出す氷上のエンターテインメントをその目でぜひ確かめてください。