『リストランテKubotsu』の窪津シェフが九州中の生産者を訪ね歩く中で見つけた福岡県宮田市の田中さんのとうもろこし。この時期、『リストランテKubotsu』の定番人気メニューのとうもろこしを濃厚なピュレーにし、さらに焼きとうもろこしをつめて上からチーズをふりかけ、オーストラリア産の黒トリュフを合わせた一品。熱々のホットドックを食べるように手にとってほおばって食べる楽しいアミューズ。

京都で190年続く老舗豆腐店「賀茂とうふ近喜」の豆腐を使った１品。九州でのシェフコラボ企画なので京都の伝統ある食文化を感じていただく食材を使いたいと筒井シェフが選んだのがこの青碧豆腐。京都は薄味が好まれると言われることもあるがこの豆腐は味が濃厚。豆腐のムースの周りに北海道産の水ダコを添え夏らしい完熟トマトをすり流したソースをかける。鮮やかで涼しげな色合いも美しい。

夏らしいさっぱりとしたパスタにしたかった、とこの春『リストランテKubotsu』の料理長に就任した高田シェフ。福岡市早良区の馬場ファームのクレソンの下には生の豆と玉ねぎが隠れている。お肉は『リストランテKubotsu』ではお馴染みの長崎県諫早市にある土井農場の諫美豚。お皿の縁にはイタリアの保存食として親しまれているモスタルダを添え柑橘系の味と香りが野菜とお肉、パスタ全体にフレッシュさを演出する。

石茂魚の鮮度が良いので少し生の食感を残すぐらいに火入れをして、香りをつけるために魚醤を塗りながら炭火で炙る。お魚の下には、旬のポルチーニと大阪産の枝豆、そして大阪泉州特産の水なす。この水なすは生でも食べられるほど瑞々しく甘味がある。ソースは紀州梅を使った爽やかなバターソース。夏の一品を意識しつつ、せっかく福岡のお客様に食べていただくので大阪、和歌山などから食材を仕入れて持ってきましたと竹内シェフ。

ロゼール産の仔羊は、肉質が柔らかくクセがないのが特徴。丁寧にローストした骨つき肉は、マスタードを塗ったパセリパン粉をつけてこんがり焼かれている。骨まわりの細かい肉はミンチにしてパイ包の中に。ヤングコーンにはサフランバーニャカウダソースを、ナスの上には、色々野菜を乗せてレーズンとアンチョビ風味のパン粉をまぶしてシチリア風に仕上げている。窪津シェフ推薦の九州産黒にんにくは、バターを含ませて潰しながらソースに混ぜると絶品。

沖縄産のパイナップルは程よい酸味があり甘さと口当たりの良さ、後味もスッキリしていてバランスが抜群。コースの締めは、沖縄のパイナップルを中心にマンゴー、ライム、パッションフルーツなどエキゾチックなフルーツを感じるライムのジュレとホワイトチョコレートのジェラート。爽やかだけどパンチのあるデザートを意識したと『リストランテKubotsu』のシェフパティシエ右田さん。本日のコース料理の満足感を感じる鮮やかなアンサンブルを奏でるデザート。