住む憧れ「グランドメゾン」の人気の理由。
閑静な住宅街の福岡市の薬院・白金エリアは、近年多種多様な飲食店がオープンし、グルメスポットとしても注目されています。そこに2023年3月27日にオープンした黒い館が、辛子明太子の「やまや」が展開する新たな食の空間「やまや総本店」。やまやのコンセプトがギュッと詰まった旗艦店の全貌に迫ります。
やまやの世界観を「箱」に詰めた感動を演出する空間
やまや総本店でまず目に入るのは隙間なく貼られた木製の黒壁は、「Made in KYUSHU」というやまやのビジョンに基づき、大分県産の杉材を用いた焼杉を使用。そんな黒壁と対照的な銅板を施した入り口をくぐると広く開かれた中庭が現れます。外から中へ入ることで、まるで美味しい料理が詰まった器のフタを開けた時のような感動に出会う演出となっています。
店内はカジュアルに九州の食が楽しめる飲食スペースとテイクアウトメニューや辛子明太子を販売するショップスペースを展開する「白金小径(しろがねこみち)」と和食をベースとしたコース料理を味わう「膳(ぜん)」の2つのエリアで構成。どの空間からも中庭が眺められ、四季折々の植物を楽しむことができます。
さらに元々の邸宅のボリュームを残すことで「空間の記憶」、欄間や建具・瓦といった「物質の記憶」、邸宅の門扉や梅の木などの庭木を利活用することで「地域とつながる記憶」といった記憶も継承。伝統と未来をつなぐサスティナブルな空間が造り上げられています。
そんな空間の楽しみ方について建築デザインを手掛けた「yHa architects」の平瀬有人氏と平瀬祐子氏は、「中庭は『スーパー楕円』という丸よりも丸い形といわれる図形を元にした平面形をしています。ふっくらと柔らかく、どこに立っても、歩いてもスムーズにつながる形です。中庭の四季折々の木々をみながら『スーパー楕円』の柔らかさを感じていただけたら嬉しいです」と話してくれました。
中庭中央の桜は4月初旬までが見ごろ。天候によって変わる庭の表情にも注目
「白金小径」は、主役である料理が引き立つようグレーを基調にしたデザインとなっている。辛子明太子をイメージさせる大テーブルも印象的。庭に面したカウンター席も用意。入り口左側にあるショップスペースには、要予約の海鮮重や辛子明太子などもラインナップする
九州の食材を軸としたコースを味わう「膳」。鹿児島県霧島の赤い土壁がアイキャッチとなる落ち着いた雰囲気の店内は、カウンター席と庭を眺めるテーブル席のほか、半個室もある
「やまや」のチャレンジが体感できる「白金小径(しろがねこみち)」
「白金小径(しろがねこみち)」は、やまやの新しい試みが体験できる食の空間。九州の食材を使ったメニューも「膳」とは異なり、よりカジュアルにバラエティに富んだラインナップに。例えば2種の「博多めんたい織」では、博多織をモチーフにしたさまざまな食材とバラエティに富んだ料理が味わえる「御膳」と、新鮮な魚介を贅沢に使った「海鮮重」がスタンバイします。
また、白金小径ではスイーツも展開。自社で開発した「白金カステラ」を使うこのメニューは、定番のチョコ&ナッツと季節の果物を使用した限定メニューの2種があります。ほかにもテイクアウト商品として、「柚子プリン」や「季節の果物のティラミス」なども登場。やまやに関してスイーツのイメージがあまりない人にこそ食べてもらいたいこだわりのメニューとなっています。さらに、食事やスイーツに合わせるドリンクも充実。ソフトドリンクには定番のコーヒーやジュース類のほか、八女「中村園」のハーブティーも用意。ソムリエ厳選のグラスワインなどのアルコールもあるので、0次会などでも使えます。
その他、白金小径オリジナルパッケージの「できたてめんたい」や「山本秀波の明太子」といった、やまやを代表する辛子明太子が揃うのも白金小径で販売。ほかにも、九州産をはじめとした旬の素材に乳酸菌を掛け合わせたやまやの食品ブランド「ユサンチェ」シリーズもラインナップしています。
食材にこだわり、新たな食の可能性を追求するやまやだからこそ実現したやまや総本店。新世代の九州の食文化は、ここから全国へと発信されるに違いありません。
博多めんたい織 ~御膳~ / 3,000円(税込み)
博多織のようにさまざまな食材と料理が織り込まれた御膳。できたてめんたい、九州産の旬の野菜、九州産の肉、九州各地の海の幸、九州の米という5つの食材が主役となり、14皿の料理でそれぞれの魅力が表現されている。艶やかで甘味が際立つこだわりのごはんは土鍋で炊かれ、明太子とベストマッチ。これだけで九州の食が網羅できるようなお得さがある
博多めんたい織 ~海鮮重~ / 2,000円(税込み)
大振りの車海老がインパクト大な海鮮重。特製のだししょう油で味付けした新鮮な魚介と、やまやの「できたてめんたい」をふんだんに盛り付けた豪華な一品で、口に入れるたびに九州の海を感じることができる。また、お好みでだしを注ぐ海鮮茶漬けとしても味わえるのも高ポイント。付け合わせのユサンチェの漬物といっしょに楽しみたい
白金カステラ ~あまおう苺~ / 1,800円(左)(税込み)
白金カステラ ~チョコ&ナッツ~ / 1,500円(右)(税込み)
期間限定の「白金カステラ ~あまおう苺~」は福岡のブランドイチゴ「あまおう」をふんだんに使用した見た目の鮮やかなメニューとなっている。チョコ&ナッツはたっぷりのクリームとチョコ&ナッツをトッピングしたボリューミーなスイーツ。あっさりとした味わいのカステラは見た目に反してサラッと食べられてしまう
お土産に重宝するハイグレードな明太子やテイクアウトメニューが充実しているのもこちらの魅力の一つ
日本料理の達人が総監修する割烹で九州の旬を味わう「膳(ぜん)」
やまやの食へのこだわりを体感する食事処、割烹料理店「膳」。やまやが目指す食と人の深い関係性を象徴する言葉として、この店名が付けられました。
ここで味わえるのは九州各地から取り寄せられる旬の素材を使い和をベースとした彩り豊かなコース料理。料理を総監修するのは、東京・外苑前にある和食の名店「傳(でん)」のオーナーシェフで、2022年「アジアのベストレストラン 50」ではナンバーワンを獲得した長谷川在佑氏。料理長の安部大志郎氏はオープン前に長谷川氏の元で料理やサービスついて徹底的に学び、彼のイズムを受け継ぎました。そんな安部氏がここで打ち出すのはズバリ「九州」。
安部氏は「九州の旬の食材から、その時に一番美味しいもので皆様をおもてなししたいと思います。また、九州の人の良さも知っていただきたいのでお客様へのホスピタリティも重視し、皆様が気兼ねなくコミュニケーションを取れる空間を作りたいと考えています」と膳について話しました。さらに長谷川氏は「安部さんの料理は私が指導している時からピカイチ。そんな彼が作る料理をきっかけに、福岡や九州の魅力が多くの人に広がればいいですね」と安部氏の実力に太鼓判を押します。現代和食を代表する長谷川氏も認めた料理を、一日千秋の思いで心待ちにしている人も少なくないはず。
コースのメニューは全てその日の仕入れによって決定。料理長の安部氏が厳選するその時季に最も旬な九州の素材で料理が構成されます。
特注の赤い土鍋で炊き上げたご飯がお料理のシメに登場。さらにその横にはやまやの辛子明太子が添えられる。炊き立てのご飯に明太子というオーソドックスでいて最強のタッグで福岡の食卓を表現
突き出し、お野菜、お造り、茶碗蒸し、焼物、おしのぎなど季節の素材を使った和食ベースの料理が登場。九州産の日本酒、焼酎、ワインなども多数そろう
Information
白金小径
お問い合わせ:092-406-8087
営業時間:11:00~18:00(飲食 L.O. 17:30)
店休日:火曜
膳(ぜん)
予約・お問い合わせ:092-406-8820
営業時間:18:00~23:00(L.O. 22:00)
店休日:月曜・日曜
※完全予約制
HP
MAP
福岡県福岡市中央区白金1-5-5