大分トリップ 大分県立美術館 OPAM

日本を代表する建造物に出会う大分へ|大分×別府アートトリップ 01

公開日

最終更新日:

muto編集部

大分と言ったら何が真っ先に思い浮かびますか? 温泉? グルメ? それとも山や海といった自然でしょうか……。確かにそれらも大分の素晴らしい魅力ですが、実は街中で「アート」に出会える場所でもあるんです。第一弾は大分市内の有名建築物を訪ねる旅をご紹介します。

旅の出発地点「大分駅」は
現代アートの宝庫だった

大分と言ったら何が真っ先に思い浮かびますか? 温泉? グルメ? それとも山や海といった自然でしょうか……。確かにそれらも大分の素晴らしい魅力ですが、実は街中で「アート」に出会える場所でもあるんです。

まず目に留まるのは、大分アクセスの要となる「JR大分駅」。この駅は従来の駅とは趣の異なる造りをしています。ホームを降りたスペースの床は木でできていて、そこに配置されている駅長室はガラス張り。お手洗いの入り口には暖簾がかかり、改札を抜けてコンコースに出ると木の天井が広がります。このスペースをデザインしたのは多数の観光列車を手がける「ドーンデザイン研究所」水戸岡鋭治氏。和モダンなテイストと遊び心のある空間は水戸岡氏の真骨頂。そこにいるだけでワクワクさせられます。

さらに駅のホームには2つのアートスペース「大分ステーションギャラリー」を設置。元々喫煙所だったスペースを有効活用するために作られたこの場所には、「大分県立美術館(OPAM)」と「大分市美術館」の企画展示が期間限定で展示されています。

大分トリップ 大分駅 外観
大分トリップ 大分駅 コンコース

JR大分駅が誕生したのは1911年で、その後今の場所に旧駅舎が1958年に建造された。当時は地上駅で、プラットホームまでを地下道で行き来していたのだそう。駅が現在の姿に変わったのは2015年。インダストリアルデザイナー・水戸岡鋭治氏のデザインにより、複合商業施設、映画館、屋上庭園、温浴施設、ホテルなどを備えた「JRおおいたシティ」として生まれ変わった

大分トリップ 大分駅 出口
大分トリップ 大分駅 駅長室

木材が使われた雰囲気のある改札までの通路とガラス張りになった駅長室

大分トリップ 大分駅 ステーションギャラリー

ホームには旧喫煙所を利用した「大分ステーションギャラリー」が2ヶ所設置されている

建物から常設展まで
磯崎新づくしのアート空間

JR大分駅から北へ15分ほど歩くと、桜の名所としても多くの人で賑わう「大分城址公園」があります。その隣にある要塞のような建物が、大分市を代表するアートスポットの一つ「アートプラザ」。ここを設計したのは「建築のノーベル賞」とも言われるプリツカー賞に選出された大分出身の建築家・磯崎新氏。彼は「北九州市立美術館」や「北九州国際会議場」、福岡市中央区にある寿司の名店「やま中 本店」なども手掛け、福岡とも浅からぬ縁があります。そんなアートプラザは建物だけなく、館内でも磯崎氏の足跡に触れることができます。磯崎氏が生み出した空間と彼の構想から、建築の面白さに触れてみてはいかが。

JR大分駅から北へ15分ほど歩くと、桜の名所としても多くの人で賑わう「大分城址公園」があります。その隣にある要塞のような建物が、大分市を代表するアートスポットの一つ「アートプラザ」。ここを設計したのは「建築のノーベル賞」とも言われるプリツカー賞に選出された大分出身の建築家・磯崎新氏。彼は「北九州市立美術館」や「北九州国際会議場」、福岡市中央区にある寿司の名店「やま中 本店」なども手掛け、福岡とも浅からぬ縁があります。そんなアートプラザは建物だけなく、館内でも磯崎氏の足跡に触れることができます。磯崎氏が生み出した空間と彼の構想から、建築の面白さに触れてみてはいかが。

大分トリップ アートプラザ 磯崎新 外観

建築家・磯崎新氏の設計により、1966年に「大分県立大分図書館」として誕生したのがこちら。1996年の県立図書館新築移転のため一時は取り壊しも検討されたが、市民のための文化情報の交流の場として現在も活用されている

大分トリップ アートプラザ 磯崎新 60'Sホール

ここを設計するにあたり、磯崎氏は機能の変化に対応して成長していくという「プロセス・プランニング論」を提唱。それを「ボックスビーム」と呼ばれる梁の断面で表現している。2階の「60'Sホール」では、ネオ・ダダと60年代のアートシーンの変遷ついて検証している

大分トリップ アートプラザ 磯崎新
大分トリップ アートプラザ 磯崎新

3階には磯崎氏がこれまで手がけた世界各地の建築作品の資料や模型を常設展示。いつでも磯崎氏の業績に触れることができる

建築家・坂 茂が打ち出した
美術館の新たな形

アートプラザで磯崎新を堪能した後は、西へ歩くこと15分。白い格子が印象的な「大分県立美術館(OPAM)」に辿り着きます。2015年に誕生したこの美術館は「紙管シェルター」で被災者支援を続ける建築家・坂 茂氏が設計。中を見せないことが一般的な美術館の構造を根本から改変したこの美術館の1階は、外からも中の様子がわかるようにガラス張りにし、2層吹き抜けのアトリウムにはミュージアムショップやカフェを設けるなど、”見える“仕掛けが満載です。また、万が一の自然災害に備えた免震構造や収蔵庫からも、長年被災者支援を行ってきた坂氏らしい心配りが見られます。

大分トリップ 大分県立美術館 OPAM

「五感で楽しむことができる」をコンセプトに建てられたこちらは、白を基調にした美しい意匠はもちろん、高い機能性にも注目。例えば2階を3階から吊す構造にすることで、1階をフレキシブルな空間として活用できる。大分県立美術館の英文表記の頭文字を合わせた「OPAM(オーパム)」は美術館のシンボルに

大分トリップ 大分県立美術館 OPAM
大分トリップ 大分県立美術館 OPAM

「iichiko総合文化センター」に面したファザードは最大6mの高さまで上に開く「水平折戸」を採用。美術館の中と外を一つにする仕掛けもこちらならでは

関連記事歩けば温泉と街中アートに出会う別府|大分×別府アートトリップ 02

登場したアートスポット

施設名

JRおおいたシティ

所在地

施設名

アートプラザ

問合せ先

097-538-5000

営業時間

9:00~22:00(ミュージアムショップ 17:00まで、磯崎新建築展示室 18:00まで)

所在地

大分県大分市荷揚町3-31

施設名

OPAM〈 大分県立美術館 〉

問合せ先

097-533-4500

営業時間

10:00~19:00 ※金・土は20:00まで(入場は閉館の30分前まで)

所在地

大分県大分市寿町2-1

関連記事