新統治論

『統治新論 民主主義のマネジメント』
 著者:大竹弘二 國分功一郎

公開日

リブロプラス 野上由人

国家といかにつきあうか。主権、憲法、民主主義、新自由主義……を歴史的な根源から問い直す、二一世紀の政治哲学!

『統治新論 民主主義のマネジメント』
著者:大竹弘二 國分功一郎

「必要のためには法を破ることも仕方がない」という理論があると、国家は自分たちの失敗を覆い隠し、言い訳を作り上げていってメンツ維持だけを追求しはじめるということです。強い権限を与えられると、国家はむしろ国益に背くことをしはじめる」【本文より】

哲学と、政治思想史を専門とする気鋭の論客が民主主義と国家の統治について語り尽くす本書は、昨今流行のネットや住民参加の新しい民主主義の技法を扱った書物ではない。
むしろ、世界史の中から、近代主権国家とその統治のあり方をめぐって歴史、思想史の観点から話が進められる。

新統治論

昨今の状況分析を社会学的に説明していくというお決まりの言説に物足りなさを感じている人も多いかもしれない。

そんな人には、大竹弘二の「ラディカルであるというのは、問題の根っこ(ラテン語でラディクス)にまでさかのぼること、つまりその歴史的な起源を掘り起こし、その地点からあらためて考えてみることの意味でもある。「立憲主義」の理念がどのように誕生したのかすら忘れられてしまう現状にあって、このような歴史的立場のラディカリズムは決してその意義を失ってはいないと思う」という認識に、大きくうなずけるのではないだろうか。

そもそも、「立憲主義」という言葉が毎日のようにメディアを賑わせていること自体が異常なのかもしれない。
「立憲主義」を守るという課題が生まれていることこそがなんらかの危機、あるいは不幸の存在を私たちに告げているのかもしれない。

著者プロフィール

大竹弘二
1974年生まれ。早稲田大学政治経済学部卒業。東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了。現在、南山大学国際教養学部国際教養学科准教授。著書に、『公開性の根源――秘密政治の系譜学』(太田出版、2018年)。訳書に、アレクサンダー・ガルシア・デュットマン『思惟の記憶 ハイデガーとアドルノについての試論』(月曜社、2009年)ほか。

國分功一郎
1974年、千葉県生まれ。東京大学大学院総合文化研究科博士課程修了。高崎経済大学を経て、東京工業大学リベラルアーツ研究教育院教授。専門は哲学・現代思想。『スピノザの方法』(みすず書房)、 『来るべき民主主義』(幻冬舎新書)、『近代政治哲学』(ちくま新書)、『民主主義を直感するために』(晶文社)など著書多数。『暇と退屈の倫理学』(朝日出版社、増補新版:太田出版社)で第2回紀伊國屋じんぶん大賞受賞。『中動態の世界』(医学書院)で第8回紀伊國屋じんぶん大賞、小林秀雄賞をそれぞれ受賞する。

Information

書籍名

統治新論 民主主義のマネジメント

著者

大竹弘二 國分功一郎

出版社

太田出版

価格

1,800円(税別)

発売日

2015年1月

ISBNコード

9784778314262

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