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国立工芸館石川移転開館記念展Ⅱとして、石川県金沢市の国立工芸館で、クリストファー・ドレッサー、富本憲吉、ルーシー・リーを中心に、国立工芸館のコレクションから厳選したデザイン・工芸作品約200点が展示されています。会期は、1月30日(土)〜4月15日(木)
国立工芸館石川移転開館記念展Ⅱ
『うちにこんなのあったら展 気になるデザイン×工芸コレクション』
ウィルス、自粛、外出制限…。何かと塞ぎ込んでしまう話題ばかりだった2020年。国内の美術・工芸界の一番のトピックは、東京国立近代美術館工芸館が2020年10月25日に石川県金沢市に工芸を専門とする国内唯一の国立美術館として「国立工芸館」という通称となり移転オープンしたことでしょう。
国立工芸館は、金沢市の「兼六園周辺文化の森」と呼ばれる文化施設が集まるエリアに位置します。近くには、SANAAの設計で知られる金沢21世紀美術館をはじめ、谷口吉生が手がけた鈴木大拙館や石川県立美術館、能楽堂、図書館などがある、まさに石川県の文化・芸術の拠点といった場所。
そんな国立工芸館で個性的な展覧会が開催されています。
その名も『うちにこんなのあったら展 気になるデザイン×工芸コレクション』。
もしも自分の家にこんなものがあったとしたら…。という発想のもと、クリストファー・ドレッサー、富本憲吉、ルーシー・リーを中心に国立工芸館のコレクションから厳選したデザイン・工芸作品約200点が展示されます。
クリストファー・ドレッサー(1834-1904)
クリストファー・ドレッサー《卵立て》1878年頃 東京国立近代美術館蔵 撮影:斎城卓
植物学に関する豊富な知識を持ち、デザイナーとして多方面に活動したイギリス生まれのクリストファー・ドレッサー。
1876年に来日し、正倉院御物など日本各地の古社寺や工芸品を視察。 その経験から得た知識とデザイン理念は、西洋における日本美術への関心の高まりにも大きな影響を与えました。
とりわけ100年以上前にデザインされた金属器は、現代の私たちの眼にも新鮮に映ります。
本展では「あこがれの日本」、「タイムレスなデザイン」などをキーワードに、エミール・ガレのガラスやピエール・シャローの家具など、ヨーロッパのデザイン運動の流れを象徴する作品とともに展示される。
クリストファー・ドレッサー《ガーデン・チェア 》1867 年 東京国立近代美術館蔵 撮影:アローアートワークス
富本憲吉(1886-1963)
富本憲吉《白磁珈琲器》1933年 東京国立近代美術館蔵
「色絵磁器」で第一回重要無形文化財保持者(人間国宝) に認定された富本憲吉。
東京美術学校で建築と室内装飾を学び、図案家として活動するかたわら、一から研究を重ねて作陶の道に進みました。 「模様から模様を作るべからず」という信念による図案の創作や、工業化が進むなかで早くから量産陶器の製造を模索するなど、陶芸家としてだけでなく、デザイナーとしての先駆的な実践も改めて評価されています。「文字のちから」、「〈量産〉をデザインする」などをキーワードに、芹沢銈介の型絵染や田中一光のポスター、森正洋の《G型しょうゆさし》などもあわせて紹介されます。
富本憲吉《色絵家形筆架》1937年 東京国立近代美術館蔵 撮影:アローアートワークス
ルーシー・リー(1902-1995)
ルーシー・リー《コーヒー・セット》1960年頃 東京国立近代美術館蔵 Estate of the artist/撮影:エス・アンド・ティ フォト
ウィーン工業美術学校に学び、陶芸の面白さにとりつかれたルーシー・リー。
20世紀を代表する女性陶芸家の一人で、彼女が作る鉢や花器は、空に向かってまっすぐ開く花のような独特のプロポーションと繊細なマチエールで知られています。 本展では、ナチスの迫害を逃れイギリスに渡って間もない1940年代に制作されたガラスのボタンや、陶製のネックレスなども含め、国立工芸館が所蔵するルーシー・リーの作品12点すべてが展示されます。 また、彼女の制作から導き出される「飾ること」や「ティータイム」をキーワードに、ルネ・ラリックの《ブローチ》やバーナード・リーチの《ティーセット》などもあわせて展示されます。
*本展覧会は、新型コロナウイルス感染症予防対策のため、オンラインによる日時指定・定員制を導入しています。
招待券などをお持ちの方、観覧無料または割引対象の方も、全てのお客様に事前予約が必要になります。下記サイトから予約をお願いします。
ご予約された時間の枠内であれば、いつでもご入館いただけます。滞在時間の制限はありませんが、会場内混雑時には入館制限を行うため、入館までお待ちいただく場合がございます。
Information
展覧会名
国立工芸館石川移転開館記念展Ⅱ
『うちにこんなのあったら展 気になるデザイン×工芸コレクション』
会場
国立工芸館(東京国立近代美術館工芸館)
石川県金沢市出羽町3-2
会期
2021年1月30日[土]-4月15日[木]
休館日
月曜日(ただし3月29日、4月5日、4月12日は開館)
開館時間
午前9時30分~午後5時30分 ※入館は閉館の30分前まで
観覧料
一般 500円/大学生 300円 ※高校生以下および18歳未満、障害者手帳をお持ちの方と付添者1名までは無料
主催
東京国立近代美術館
お問い合わせ
050-5541-8600
(ハローダイヤル 8:00~22:00)