大分県立美術館(OPAM)

“建築の聖地、大分”で、世界的建築家・坂 茂の大規模個展を開催中!

公開日

muto編集部 岡浩行

ポンピドー・センター -メス ©Didier Boy de la Tour

大分県立美術館(OPAM)で『坂茂建築展ー仮設住宅から美術館まで』が開催されています。
OPAMの設計者でもある建築家が世界を股にかけた35年の活動を紹介する圧巻の展示を体験ください。

建築を志すもの、建築に多少の興味がある人にとって、大分県は特別な場所だ。
大分は、世界の建築界の巨匠・磯崎新氏の故郷であり、県内には、磯崎新氏の初期作品から様々年代の建築物が多くある。
そんな、磯崎新アトリエにも在籍し、建築界のノーベル賞とも言われるプリツカー賞を受賞した坂 茂氏の展覧会『坂茂建築展ー仮設住宅から美術館まで』が、自身が設計を手がけた大分県立美術館(OPAM)で開催されている。

大分県立美術館(OPAM)

大分県立美術館(OPAM) ©Hiroyuki Hirai

建築家・坂 茂氏は、「ポンピドー・センター-メス」(2010年、フランス)や、パリ郊外セガン島の音楽ホールを中心とした複合音楽施設「ラ・セーヌ・ミュジカル」(2017年、フランス)など、世界中で建築設計に携わっている。その一方で、1995年の阪神淡路大震災の「紙のログハウス」や「紙の教会」、2011年の東日本大震災に活用された「避難所用間仕切りシステム」、2008年の中国・四川大地震の復興支援では「成都市華林小学校紙管仮設校舎」を建てるなど、災害支援活動も続けている。

ポンピドー・センター -メス

ポンピドー・センター -メス ©Didier Boy de la Tour

スウォッチ本社

スウォッチ本社 ©Didier Boy de la Tour

紙の大聖堂

紙の大聖堂 ©Stephen Goodenough

ラ・セーヌ・ミュジカル

ラ・セーヌ・ミュジカル ©Didier Boy de la Tour

開催中の『坂茂建築展ー仮設住宅から美術館まで』展では、坂 茂氏が35年に渡りおこなってきた設計活動を写真や図面、映像だけでなく、多数の実物大モックアップ(模型)で紹介。
離れた場所にある建築を臨場感あふれるダイナミックな展示で、子どもから大人まで楽しめる内容となっている。

クアパーク長湯

クアパーク長湯 ©Hiroyuki Hirai

ハノーバー国際博覧会2000 日本館

ハノーバー国際博覧会2000 日本館 ©Hiroyuki Hirai

また、25年以上にわたり難民、被災者のために行ってきた支援プロジェクトも紹介されている。その活動は国境を越え、ルワンダ、スリランカ、ハイチ、アメリカ、トルコ、インド、中国、ニュージーランド、イタリアなど多くの国々に及ぶ。
国内の阪神淡路大震災や東日本大震災、熊本地震、2019年の台風19号も例外ではない。
その多角的な活動が注目されている建築家の創作と活動がこの展覧会で触れることができる。

避難所用間仕切りシステム

避難所用間仕切りシステム ©Voluntary Architects’ Network

最後に、本展覧会の展示は、1階の展示室全面とアトリウムエリアあわせて約2,000㎡のスペースを使った大分県立美術館(OPAM)の開館以来最大規模の展示となっている。
展示エリアの半分を占めるアトリウム空間は、無料の観覧ゾーン。
1階の展示室は、通常周囲を壁に閉ざされており、中に入らないと様子がわからないが、本展では、ところどころ外から展示室の中の様子を垣間見ることができるようになっている。
また、天候などの条件が整った場合には、道路に面したガラスの水平折戸を開放し、街と一体化させることも計画されています。
坂 茂氏自らが設計した美術館での展覧会でもあるため、坂 茂氏が設計にあたりコンセプトの柱においた「街に開かれた縁側としての美術館」を体感できる機会になる。
これまでとは違う大分県立美術館(OPAM)の新しい展示空間を是非楽しんでほしい。

坂 茂氏

坂 茂 Ban Shigeru
1957年、東京生まれ
82年、磯崎新アトリエ勤務
84年、クーパー・ユニオン建築学部を卒業
85年、坂 茂建築設計を設立
95年、国連難民高等弁務官事務所(UNHCR)コンサルタント(-99)、NGO VAN 設立 現在、慶応義塾大学環境情報学部教授

<主な作品>「カーテンウォールの家」、「ハノーバー国際博覧会日本館」、「ニコラス・G・ハイエック・センター」、「ポンピドゥー・センター-メス」、「大分県立美術館」、「静岡県富士山世界遺産センター」、「ラ・セーヌ・ミュジカル」、「スウォッチ本社」、他

<主な受賞>フランス建築アカデミーゴールドメダル(2004)、アーノルド・W・ブルーナー記念賞建築部門世界建築賞(2005)、日本建築学会賞作品賞(2009)、フランス芸術文化勲章(2010)、芸術選奨文化部科学大臣賞(2012)、プリツカー賞(2014)、クリスタルアワード(ダボス世界経済フォーラム、2015)、紫綬褒章(2017)、マザー・テレサ社会正義賞(2017)、読売国際協力賞(2019)、他多数

インフォメーション

展覧会名

坂茂建築展 ー 仮設住宅から美術館まで

会期

2020年5月11日(月)〜7月5日(日) ※休展日なし

時間

10:00〜19:00 ※金・土曜日は20:00まで(入場は閉館の30分前まで)

会場

大分県立美術館1階展示室A、アトリウム(大分県大分市寿町2番1号)

観覧料

一般 1,000(800)円/大学・高校生 700(500)円
※( )内は前売および20名以上の団体料金 ※中学生以下は無料

主催

坂 茂建築展実行委員会、公益財団法人大分県芸術文化スポーツ振興財団・大分県立美術館

共催

大分合同新聞社、OBS大分放送、TOSテレビ大分、OAB大分朝日放送

お問い合わせ

097-533-4500

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