【muto40号】福岡から有田へ、非日常に浸る一泊二日の旅【歴史&おみやげ編】

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muto編集部

やきものの町として近年では海外からも多くの人が訪れる佐賀県有田町で、非日常を味わう一泊二日のショートトリップを体験する特集。今回は歴史を辿る史跡と有田の魅力を凝縮したおみやげを紹介。

有田の歴史を垣間見る

有田を散策すると400年以上続く町の歴史に触れられる場所が点在することに気付く。なかでも「小路庵」「有田陶磁美術館」「陶山神社」は、有田の歴史や文化を今に伝える重要な拠点と言える。

東洋陶器(現TOTO)の五代目社長で有田町公選初代町長も務めた江副孫右衛門氏の生家で大正時代に建築された姿を今に残す小路庵は、建物自体もさる事ながら、2023年にここの庭で近代の登り窯跡が発見されたことで一気に注目の場所となった。有田の歴史を形成する登り窯の構造が自由に見学できるので、ぜひその目で確かめてほしい。

佐賀県の登録博物館第一号として1954年に開館した「有田陶磁美術館」は、有田焼の歴史や進化を紹介するために設立された美術館で、有田焼の優れた作品が数多く収蔵されている。外観は石蔵で内部は木造の二階建て構造で、館内二階で建物の大きな梁を見ることができる。2019年に展示物を明治時代を中心とした作品にリニューアル。現在は、有田の明治時代から昭和初期にかけてのやきものを鑑賞できる。

境内に配された磁器の鳥居や大水瓶が印象的な「陶山神社」も有田の歴史に欠かせない場所の一つ。有田焼陶祖の神の八幡神を祀る神社として今も地域の人々に愛される。またこちらには、日本に磁器の技術を伝えた李参平公の記念碑も建てられている。

400余年の歴史を伝える窯元やその技術を脈々と受け継ぐ職人、さらに当時の面影を残す町並みなど、ここにしかない風景が見られる有田。日常にはない風景と食と人に出会える有田で、今こそ週末のショートトリップを楽しんでほしい。

小路庵
小路庵(しゅうじあん)は、公選初代有田町長でありTOTOの五代目社長も務めた江副孫右衛門氏の生家で、大正時代に建築された伝統的建造物の一つ。庭を改修するため掘り起こしたところ、土中から登り窯跡が発見され、現在は自由に見学できる。
佐賀県西松浦郡有田町上幸平1-8-11
0955-43-2121
[ 公開時間 ]9:00~17:00
[ 入場料 ]無料


有田陶磁美術館
1874年に建てられたやきもの倉庫を改築し1954年に開館したこの美術館は、建物自体も有田内山にある重要伝統的建造物の一つに指定されている。館内には佐賀県重要文化財「染付有田皿山職人尽し絵図大皿」や「陶彫赤絵の狛犬」といった貴重な磁器を展示。
佐賀県西松浦郡有田町大樽1-4-2
0955-42-3372
[ 開館時間 ]9:00~16:30
[ 休館日 ]月曜日
[ 入館料 ]大人120円 / 高校生以下無料


陶山神社
1658年ごろに建立されたとされる陶山(すえやま)神社は、境内に有田焼で作られた大鳥居や大水瓶などが並んでいる。泉山磁石場を発見し窯業創業の祖である李参平公の記念碑があり、近年では海外からの参拝者も多い。また敷地内に電車が通ることでも有名。
佐賀県西松浦郡有田町大樽2-5-1
0955-42-3310
https://arita-toso.net


有田のおみやげ

有田に来たらこれを選べば間違いなし!というおみやげを紹介。器だけではない有田の魅力も感じられること請け合い。現地で体験した有田をおみやげを通じて大切な人にも届けてみてはいかが。

有田焼カレー(大) / 2,160円(税込)
有田焼の器に入っているのは、28種類のスパイスを使用した手作りカレーにチーズを乗せて焼き上げた焼きカレー。電子レンジで温めるだけで食べられる手軽さも嬉しい。
<ここで買える!>
有田テラス
佐賀県西松浦郡有田町中樽2-17-35
0955-25-9980
https://aritayakicurry.com

高菜乃華(三種詰め合わせ)
/ 1,400円(税込)

有田の高菜漬けメーカー「前田食品工業」が手がける、マイルドな辛みが人気の辛子めんたい高菜、高菜の油炒め葉がくれ、強めの辛みが刺激的な辛子高菜の3種がセットになった贈答品。
<ここで買える!>
前田食品工業
佐賀県西松浦郡有田町本町丙1497-10
0120-55-6690
http://www.maeda-shokuhin.jp

白磁彩菓 肥前皿絵文様菓 5枚入 /
2,200円(税込)

有田で今に伝わる磁器の柄を写したやきもの風クッキーで、上品な甘さが楽しめる。「九州陶磁文化館」のミュージアムショップや有田駅構内の「有田銘品館」などで販売。
<ここで買える!>
天馬堂
https://tenmado-arita.jp

ちゃわん最中(5個入り)/ 1,850円(税込)
ちゃわん最中は、まちづくり団体の『灯す屋』がかつて町で愛されていた同名の銘菓をリニューアルし復活させたもの。最中でできた有田焼を思わせる器に餡を盛る一手間も楽しい。
<ここで買える!>
灯す屋
佐賀県西松浦郡有田町大樽2-3-21
0955-29-8929
https://tomosuya.com/chawanmonaka

左;高島の手造りごどうふ / 250円(税込)

右;たかはしのごどうふ(3個入り・タレ付) / 580円(税込)
モチモチの食感とつるんとした喉ごしが特徴の有田の郷土料理・ごどうふ。「高島の手造りごどうふ」はモチモチ感が強く、「たかはしのごどうふ」は滑らかな口当たりがクセになる。
<ここで買える!>
高島豆腐店
0954-20-7075
とうふのたかはし
0955-43-3252


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