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知る人ぞ知る、福岡路地裏の隠れた名店紹介します|食の専門サイト”UMAGA”セレクト

公開日

muto編集部

福岡のうまいものを探求するWEBマガジン「UMAGA」は、福岡のグルメたちを唸らせる記事が毎日更新されています。その中から、muto読者にオススメの情報をセレクトして定期的にお伝えします。今回は、食の街福岡の隠れた路地裏の名店を紹介します。

シェフの想いと素材の力ほとばしる!昼夜各1組限定、とっておきの隠れ家へ Agriculture(アグリキュルチュール)

福岡市南区の閑静な住宅街に、ひっそりと佇むレストランの名は「Agriculture」。「アグリキュルチュール」とはフランス語で「農業」を指す言葉です。「農」は生産者、「業」には自身の仕事(料理)という意味も込め、「生産者と料理人の垣根を超えて農業に目を向け、未来に繋がる料理を……」との思いで名付けたそうです。

ヒノキの扉を開くと、4人がけのテーブル席とまるでスタジオのようにおしゃれなオープンキッチンが目に飛び込みます。元はガレージだったという建物を、店舗設計や家具製作を手掛ける「具具工房」や友人の職人と共にフルリノベーションしたそうで、細部にまでこだわりがキラリ。

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オープンキッチンでイキイキと腕を振るうのは、オーナーシェフの小島智典さん。“料理の鉄人”でもその名を轟かせた「KOJIMATEI」の小島孔典シェフを父にもち、父の姿に憧れてこの世界に飛び込みました。父の元や日本料理店で下積みし、浄水通の「フランス料理KOJIMA」では15年に渡りシェフとして活躍。しかし、段々と“自分の料理を作りたい”との思いが高まっていったと話します。

「大きな転機は約6年前です。当時の僕には健康的な食事という概念はあまりなく、体重も増え体調を崩し、薬に頼る日々が続いていました。そんな僕を心配した妻が“普段の食事から見直してみよう”と言ってくれたんです。そこで、改めて食材について勉強することに……。やがて『この野菜や肉は、どんな人がどんな風に育てているのだろう?』と自分の目で確かめてみたくなり、そこから生産者の方々を訪ねるようになりました」

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「そうして真摯な作り手の方々に出会い、“農法、土壌によって食材の味は変わる”ということを知り、感銘を受けたんです。食材を見直すことで体調も良くなったことから、『身体の中から喜びを感じる料理』という自分の目指す道が決まりました。コースでお出しする食材、調味料、器をはじめとしたテーブルウエアに至るまで、思いを込めて作られたものばかりなので、一つひとつ楽しんでいただけると嬉しいです」。

現在はランチ、ディナーともに各1組限定(各4名以上は要相談)で、2日前までの予約制となっています。コースの所要時間は2時間半から3時間ほどで、ゆったりと食事を楽しめますよ。今回は約11品が登場する「ディナーコース」(16,500円)をいただきました。

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最初に供されたのは、サクッと弾ける食感と香味がたまらないアミューズです。
「成清海苔店」(柳川市)謹製の優等海苔に、無肥料・無農薬で育った「かえるすたいる」(鹿児島)の緑米を重ね、上には「なかむら耕作所」(熊本)の新生姜で作ったピクルスと長崎産のヤリイカが。緑米は50度洗いして「玉名牧場」(熊本)の仔牛のボーンブロス(出汁)で炊き、薄く伸ばして焼いて、提供前に「堀内製油」(熊本)のなたね油で揚げて……と、見えないところまで何とも手が込んでいます。

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続いては、車海老と帆立を使ったオードブルを。サッと湯通しして甘味を引き出した車海老とホタテの美味しさもさることながら、主役となるのはその上。在来種の野菜を育てる“種採り農家”「岩崎農園」(長崎)の「黒田五寸人参」で作るムースと「玉名牧場」の仔牛のコンソメジュレです。

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しっとり火入れされた魚料理に続く肉料理は、イギリス・ウェールズで放牧されている最高級ラム「ウェルシュラム」のロースト。雑味のない上品な旨味にうっとり……ですが、共に主役を張る「日本ほうれん草」の美味しさにも驚きました。このほうれん草は、「池松自然農園」(福岡)にて無農薬・無化学肥料で栽培されているそうで、根っこまで食べられるのは健康な証。

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店内の一角では自家製のラー油やグラノーラに加え、「なかむら耕作所」や「マルマメン工房」といった縁のある生産者さんの商品も販売していますよ。

「Agriculture」の詳しい情報はコチラ

ステーキの隠れた名店。長期熟成した赤身肉は旨味、柔らかさが段違い! Akamiya COWSI(アカミヤコウシ)

春吉公園から住吉へ抜ける道から、さらに一つ筋に入った場所にある「Akamiya COWSI」。店の入口は小さく、腰をかがめる必要があります。アジトに潜入するようなワクワク感に浸りながら、いざ入店です。

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こちらのウリは赤身の熟成肉。長期熟成するのは交雑種の雌牛の赤身のみで、短いものでも30日、長いものになると120日ほど寝かせているそうです。

今やポピュラーになった熟成肉ですが、オーナーの福富康馬さんもその旨味に魅了された一人。「熟成させるためには枝肉を骨付きのまま、徹底した温度・湿度管理の下、保管しておく必要があります。当店は乾燥状態で置いておくドライエイジングを採用しており、赤身肉の旨味が凝縮するのはもちろん、独特な風味を帯び、さらに肉質も柔らかくなる」と話します。

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店長の片山清晃さんがその日おすすめの「ポーターハウス」を焼いてくれました。この日は、佐賀県産交雑種の雌牛で、熟成期間は120日。価格は100g2084円です。厚さ3cmはあろうかという塊肉を炭火で豪快に焼いていきます。

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塊肉を焼くこと約30分。カットされた状態で「ポーターハウス」が運ばれてきました。もちろんステーキは2〜4人などでシェアOKです。味わいが深いサーロイン、柔らかさが際立つフィレ。最初はフィレから食べるのがおすすめで、どちらも噛むほどにおいしさが広がります。サーロインの比率がやや多いものの、フィレも十分なボリュームがあり、それらを一度に味わえるのは「ポーターハウス」の魅力です。

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熟成肉はその日準備しているものだけになるので、売り切れ次第終了です。ほとんどの客の目当てが熟成肉なので、早々と売り切れることもあるそう。予約しておくのがベターかもしれません。

そしてもう一つの定番が「牛テールの炙り焼き」(1,980円)です。こちらは約5時間、ひたすら弱火で煮込んだ牛テールを提供直前にバーナーで炙って提供されます。ステーキと同じく焦げ目を付けることで、香ばしさがプラスされ、よりおいしく味わえるんですね。ポン酢とニンニクを漬け込んだ醤油がかかっていますが、薄味で牛テール本来の旨味を生かしています。じっくり煮込

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単品だけでなく「飲み放題付き和牛赤身堪能コース」(6,930円)、「飲み放題付き長期熟成肉コース」(9,130円)など、前日までに要予約のコースもあります。ちょっと贅沢したい時や特別な日の利用にもおすすめです。

「Akamiya COWSI」の詳しい情報はコチラ

「おいしい魚料理を定食で」を叶える大手門の隠れた名店 ごはんや 飯すけ

東京など県外の知人に「福岡でおいしい魚料理が食べられるお店を教えて」と聞かれた際には真っ先にあげるお店です。一方通行の細い路地沿いと目立つ立地ではないですが、ランチタイムを過ぎても、いつもお客さんで賑わっています。

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こちらのメニューの柱は定食。“本日の魚定食”と銘打ったメニュー表を毎日用意し、仕入れ状況によって使う魚種は変わります。この日は天然あら、天然鯛、シメサバ、ヒラマサ、サワラ、アラカブなど多彩な魚種がメニュー表に並んでいました。

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注文したのは刺身定食の「選べる2種盛り」(2,300円)。文字通り、刺身定食の中から好きな2種が選べるメニューで、この日は店主おすすめの天然鯛とヤイトカツオを選びました。定食ではありますが、刺身は天然鯛が10切れ、ヤイトカツオは12切れと定食のレベルを超えたボリューム感! これはもう、2〜3人前といってもよい刺身盛り合わせにご飯と味噌汁が付いているというぐらいの満足度の高さです。

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ランチ、ディナーと営業時間の区切りはありますが、昼夜問わず常に同じメニューを提供している同店。定食も200円引きで単品メニューとして注文できることから、夜は日本酒などを楽しみながら魚料理に舌鼓を打つのも一興です。また、定食に加えて、「カキバター焼き」時価(取材時は2人前1,600円)、「タコキムチ」時価(取材時は2人前1,200円)などアラカルトも多数用意しており、しかも人数に応じて量を調整してくれるのもありがたいですね。

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今回注文した「たら白子卵とじ」時価(取材時は2人前1,800円)、「カニチャーハン」時価(取材時は2人前2,500円)は、言わずもがななのですがめちゃくちゃおいしい! 「たら白子卵とじ」は白子の濃厚な旨味に、アクセントに山椒を効かせる技ありの一品。「カニチャーハン」はカニのほぐし身たっぷりのチャーハンで、あえて薄味にすることでカニの旨味、風味が生きています。

来年はワインも提供予定など、より幅広いニーズに応える店を目指しているとのこと。そうなると昼はもちろんですが、夜の楽しみがますます増えそうですね。

「すし土井」の詳しい情報はコチラ

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