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ミナ ペルホネン/皆川明 つづく
2019年、東京都現代美術館で14万人を動員した注目の展覧会『ミナ ぺルホネン/皆川明 つづく』展が現在、福岡市美術館で開催されています。
photo: Ryo Ichii
minä perhonen(ミナ ペルホネン)は、デザイナーの皆川明が流行に左右されず、長年着用できる普遍的な価値を持つ「特別な日常服」をコンセプトとし、日本各地の生地生産地と深い関係を紡ぎながら、オリジナルの生地からプロダクトを生み出す独自のものづくりを続けてきました。
photo: Mitsuo Okamoto
「せめて100年続くブランド」という思いで1995年に設立されたこのブランドは、当時「ミナ」という名前でスタートしました。
その後、ファッションブランドとして始まった「minä」が、インテリアなど暮らしに寄り添う様々なものに活動を広げ始めた時を同じくして2003年に現在のminä perhonen(ミナ ペルホネン)というブランド名にりました。
フィンランド語で「minä」は「私」、「perhonen」は「ちょうちょ」という意味。皆川明がフィンランドを旅する中で、そのライフスタイルやカルチャーに共感し、フィンランド語で名付けられました。
“ballade” 2007-08→AW photo: Yoshiharu Koizumi
ミナ ペルホネンのものづくりの根幹にあるのは、オリジナルのテキスタイルを中心とした素材からのデザイン。テキスタイルはブランド設立以来ずっとインハウスのデザイナーによる手作業での図案作りをつづけています。
“forest parade” 2012→SS photo: L.A.Tomari
天然素材を中心に、肌触りや服として身に纏った時の表情を大切に、職人の技術を生かして制作したテキスタイル。それ故に、さまざまな製品を生み出す時に出る余り布も大切な素材ととらえ、ハギレセットの販売もしています。
ミナ ペルホネンは、今では服作りだけではなく、インテリアなど家具や器、店舗や宿の空間ディレクションなど、日常に寄り添うデザイン活動も行っています。また現在ではデザインの領域を超えてホスピタリティを基盤にした分野へも活動の幅が拡張しています。
“life puzzle” 2019 photo: Hua Wang
2020年に25周年を迎えた「ミナ ペルホネン」。
本展覧会の「つづく」というタイトルは、文字通りブランドの時間的な継続性を示すものですが、それだけでなく、つながる・連なる・手を組む・循環するなど、モノや人が連鎖し何かを生み出していく生成のエネルギーを想起させる言葉でもあるという。多義的な意味をもつ「つづく」をキーワードに、この展覧会では、生地や衣服、インテリア、食器等のプロダクトに加えて、デザインの原画、映像、印刷物、皆川明の挿絵など創作の背景を浮き彫りにする作品群や資料も併せて展示されています。会場では展示されなかった初公開となる作品も展示されます。
加えて本展覧会中には、ミナ ペルホネンのグッズや展覧会公式カタログを取り扱う特設ショップも開設されます。
「猫になったら」朝日新聞・日曜に想う 2021年4月4日掲載 挿画
“one day” 原画 2018-19→AW photo: sono (bean)
会場の展示構成は、東京・兵庫展に続き、「エストニア国立博物館」の設計者として、また、2020年の東京オリンピック誘致に向けた国立競技場基本構想国際デザイン競技で話題となった「古墳スタジアム」案、昨年に建て替え計画を発表した「帝国ホテル 東京」の新本館(2036年完成予定)のデザインアーキテクトに就任したことも記憶にあたらしい、フランス・パリを拠点に活躍する建築家・田根剛(Atelier Tsuyoshi Tane Architects)が担当。
グラフィックデザインは、サントリーウーロン茶、ユナイテッドアローズ、とらや、TORAYA AN STANDなどの広告制作、アートディレクションでも知られる葛西薫(sun-ad)が手がける。
ミナ ペルホネンと皆川明のものづくりとその思考をこれまでにない規模で紹介するこの展覧会は、私たちの日常生活やその先にある社会の仕組みについて新たな視点と示唆をもたらすことでしょう。
“rosy” 2018-19→AW photo: Mitsuo Okamoto
INFORMATION
展覧会タイトル
ミナ ペルホネン/皆川明 つづく
会期
2022年4月23日(土)〜6月19日(日)
休館日
月曜日
開館時間
9:30〜17:30(入館は17:00まで)
会場
福岡市美術館
福岡市中央区大濠公園1-6
観覧料
一般:1,600円、高大生:1,000円、小中生:600円
展覧会特設サイト
主催
福岡市美術館、西日本新聞社、テレQ
お問合せ:チケット・関連イベントに関して
西日本新聞イベントサービス
092-711-5491
(平日9:30〜17:30)
お問合せ:展覧会に関して
福岡市美術館
092-714-6051