住む憧れ「グランドメゾン」の人気の理由。
福岡のうまいものを探求するWEBマガジン「UMAGA」は、福岡のグルメたちを唸らせる記事が毎日更新されています。その中から、muto読者にオススメの情報をセレクトして定期的にお伝えします。実は博多の食といえば、豚バラ、野菜巻きで知られる焼鳥かもしれません。福岡の王道焼鳥店3件です。
決めては鹿児島の塩! 名店で修行した店主のこだわりの焼鳥
『やきとり 小森田』
「やきとり 小森田」は、「しっかりした焼鳥を食べたい!」という気分の時に、足を向けたい頼れるお店です。
出迎えてくれた店主・小森田賢さんは、アパレル業界を経て名店「美久馬」で修行を積んだという経歴の持ち主。店長として勤めた「美久馬 赤坂店」を譲り受け、5年前に独立しました。グルマンから家族連れにまで愛されている、今や押しも押されぬ人気店です。
まずはおすすめの串の盛り合わせをお願いしました。
右から順番にいただきます!
無菌豚を使い表面をカリッと仕上げた「バラ」(200円)は溢れる脂がたまりません。柔らかでなおかつさっくり感もある「砂ずり」(200円)は、鮮度の良さを感じさせます。「えび」(330円)は、ぷりぷりとした大きな“天使の海老”の甘みを存分に味わえました。「しそ巻き」(220円)には、ホクホクとしたヤングコーンを巻くのが小森田流。パリッとした皮で身がジューシーな「手羽先」(220円)も絶品です。
「手間隙がどう、ネタがどう、というよりも、焼鳥は“美味しそうに焼くこと”、大事なのはそれだけですね」と笑顔で話してくれた小森田さん。「あえていうなら“塩”にこだわっています」と教えてくれました。
焼鳥以外にも小鉢や刺身などサイドメニューも満喫できる「小森田」。「最近どんどん注文が増えてきているんです」という口コミで話題の「ささみ昆布〆」(600円)もいただくことに。昆布と酢で5〜6時間締めたという身はしっとり柔らか!
ほかにも、まるでうなぎの肝のような風味の串「ハツモト」(130円)や食後に熱々をいただきたい「餅入りぜんざい」(440円)も人気。また日替わりで出る「ポテサラ or スパサラ」(440円)もあり、「今日はどっちの日かな?」と通う楽しみがあります。
誰もがこの味の“虜”! 福岡市中央区港の焼鳥店は今宵も大盛況
『焼きとりの とりこ』
「焼きとりの とりこ」は、荒津大橋を望む博多漁港のそばにあります。都心を離れた静かな立地ですが、2012年のオープン以来、談笑する客の姿が絶えたことはありません。
店主の金子トシユキさんは「焼とりの八兵衛」に10年在籍した卒業生で、なるほど、ガラス越しの光景は「八兵衛」のそれとよく似ています。
「ネタごとに特徴が違う焼鳥を美味しく仕上げるには、適切な切り方や刺し方──つまり仕込みがとても重要です」と金子さん。
「しかも炭の扱いは難しいし、お客様のタイミングに合わせて焼くので、焼鳥って実は大変な料理(笑)。でも、それを大衆価格で提供できるところが魅力であり強みなんですよね」
そんな焼鳥から、悩みに悩んで5本をチョイス。
右から順に、圧倒的な脂の甘みに驚かされる霧島山麓豚の「豚バラ」(198円)。
表面はカリッ、中はふっくらと仕上げた「もも」(165円)は火加減が見事でした。
「とり肝」(132円)はこだわり素材を使ったトロフワ感が絶品で、看板串の1本というのも納得。下処理で血合いを抜いているので、臭みもほとんどありません。
一度マリネして、極上の弾力と風味を引き出した「和牛さがり」(506円)も忘れ難い秀作。串メニューでは最高額ですが、それだけの価値がある一本です。
「手作りつくね」はもも・胸肉・やげん軟骨を手切りで細かくミンチにしたもので、ソフトな食感が好印象。食べごたえも十分でした。
また、焼鳥以外に色々食べたい……という時も「とりこ」は頼れる存在です。
とくにお勧めは沖縄でヒントを得たという「そーきの塩焼き」(1,078円)。7種のスパイスに漬け込んだ骨付きの煮豚をこんがり焼いた名物で、豊かな風味と歯応えが絶妙!
〆に選んだのは「鳥スープごはん」(528円)。鳥ガラと野菜で丹念に取った白濁スープと、仕上げに加えた焦がしネギ油がヤミツキものの滋味を生み、レンゲを持つ手が止まりません。終わりよければすべてよし、を地で行く理想的な一杯でした。
未知のうまさに感激!幻の地鶏「天草大王」に最接近
『やきとり稲田』
熊本県が誇るブランド地鶏「天草大王」をご存知ですか? 高い評価を得ながら昭和初期に一度は絶滅。しかし10年に及ぶ努力で復活を遂げた幻の地鶏です。高級素材ゆえ大衆店で見かけることは稀ですが、それを味わえる焼鳥屋を福岡市博多区住吉で発見!
焼鳥好きなら避けて通れぬその店は「やきとり稲田」です。
「稲田」の店主、稲田ツグヒロさんは元々フレンチの出身。炭火のことを学ぼうと、名店「焼とりの八兵衛」に入社したのがきっかけでこの道に進んだ職人です。
「天草大王」に出会ったのは、13年勤めた「八兵衛」を離れ、独立に向けて準備をしていた頃。「他の有名銘柄も試しましたが、この地鶏が一番理想的な味でした」とたちまちポテンシャルに魅了されたそうです。
「うまい焼鳥には適切な大きさがある」とのこだわりから、稲田さんは毎回「天草大王」を丸ごと一羽仕入れ、そのつど丹念に切り分けます。
しかも丸鶏を扱うことで、超希少な「白キモ」などを含む8種類の部位を出せる強みを獲得。「天草大王の部位がこれだけ揃う店は全国にもほとんどないでしょうね」。
上の写真は、すべて「天草大王」縛りの逸品揃いです。
「手羽先」(385円)はこのうえない弾力に満ち、存分に“噛む歓び”を堪能できます。骨周りの身も濃厚で、稲田さんもお気に入りの部位だとか。
続いては「ささみわさび」(308円)。ササミは下手に扱うとパサつく部位ですが、150日間じっくり育てる「天草大王」は脂がたっぷり。それをミディアムレアに焼くことで、しっとり&ふんわりの食感を生み出していました。
緻密なプロの技に感服したのが「胸身」(280円)です。胸身の水分が逃げないよう、ひと手間かけて皮を巻き、皮7:身3の比率で火入れするのがポイント。仕上がりは無類のジューシーさで、思わず陶酔に誘われる傑作でした。個人的にこれがNo.1。
「ソリレス」(363円)は腰の窪み部分にある親指大の部位で、これまた夢見心地の歯応えです。一羽から2本分しか取れない希少部位なので、完売前に頼めて幸運だったかも!
旨味が濃く、ほんのり甘みもある「かしわ」(308円)は塩かタレで。ピリッと味を引き立てるブラックペッパーの存在も効いています。
その一方で、やけに酒飲みのツボをつく一品料理も気になるところ。「特選和牛のうに巻き」(693円)はその代表格です。60℃で低温調理した佐賀牛にウニを巻き、仕上げに穴子の寿司用のツメをかけた人気品。
こちらも定番の「稲田のバーニャカウダ」(1,408円)。
華やかで目に楽しく、13種前後の野菜は焼鳥の脂をさっぱり洗い流して、これは頼んで大正解でした。
他にもUMAGAでは、「博多の王道焼き鳥」を特集しています!
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