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食の街・福岡のこだわりを貫く繁盛店3選|食の専門サイト”UMAGA”セレクト

公開日

muto編集部

福岡のうまいものを探求するWEBマガジン「UMAGA」は、福岡のグルメたちを唸らせる記事が毎日更新されています。その中から、muto読者にオススメの情報をセレクトして定期的にお伝えします。今回は、食の激戦区福岡を勝ち抜く繁盛店3選です。

力強い食材をシンプルに味わえる極上のシェフズテーブル 『清喜』

「平尾の清喜、行った?」。そんな声が福岡の食いしん坊の間で飛び交ったのは2018年。店内はキッチンと一体化したフラットなテーブルがひとつだけ。普段は立ち入れない厨房で食事をしているようなライブ感と、同じテーブルを囲んだ人との一体感を楽しめる「清喜」は瞬く間に人気店となり、この約5年の間にステーキ定食の「清喜ひとしな」(六本松)、エスニック料理&ワインの「Mon an」(赤坂)、餃子の「おそ松」(六本松)と3つの系列店を構えるほど成長を続けています。

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「そんなに店を増やすつもりなかったんですけどね(笑)」と話すのはオーナーの水田正大さんと、オープン時から水田さんと歩いてきた佐藤知志さん。2人ともフレンチの名店「花の木」の出身だけあって、素材への火入れの塩梅が抜群! 「素材のチカラを引き出す」というのはこういうことなのかと感動を与えてくれます。

まずいただきたいのが、毎日10種類程度が用意されている多種多彩な小皿料理です。
本日オーダーしたのは「焼かぶ」。糸島市芥屋エリアでしか育たない伝統野菜「芥屋かぶ」です。
じっくりと時間をかけて火入れしたカブの味付けは塩のみ。運ばれてきた瞬間香りがふわっと立ち、口にするとカブ独特の香りとしっかりとした歯応え、甘みが広がります。

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野菜を愉しんだら、次はお肉をいただきましょう。なんといっても「清喜」といえば「木下牛」。滋賀県近江八幡市にある「木下牧場」で大切に育てられた「木下牛」は、“人間が食べて美味しいかどうか”を基準に餌を選んでいるそう。本日はまず、贅沢に「串かつ」(600円)で。衣の中に閉じ込められた旨味が弾けます。脂もしつこくなく、赤身の美味しさと香りが濃厚です。

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さあ、真打ち登場。ステーキやハンバーグはトレーにのって登場し、その時のお腹のすき具合や気分に合わせて部位や量を選べます。「ハンバーグ」(3,500円)も捨てがたい美味しさですが、本日は「木下牛」の外モモ・95g(4,370円)をオーダー。ちなみに木下牛のほか、宮崎県西都市の「都萬牛」もラインナップしています。

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シメの「ガーリックライス」(830円)が登場。いい香りがすると思ったら、ジャスミンライスです。上には卵と木下牛のコーンビーフをトッピング。並々ならぬ美味しさで、どれだけお腹がいっぱいになっていても食べたい一品です。

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「美味しいね」「美味しいでしょう」と言っているだけであっという間に時間が経ってしまうのが「清喜」。
水田さんを筆頭にスタッフの方も皆、料理をこよなく愛し、生産者さんへの感謝と尊敬の念を抱いているのが伝わってきます。

「清喜」の詳しい情報はコチラ

居酒屋以上、割烹未満。“いろいろな料理を少しずつ”が叶う和食店 『トキシラズ』

2019年2月にオープンし、瞬く間に人気店となった「トキシラズ」。そのお店のスタイルは、“居酒屋以上、割烹未満”。大衆的な居酒屋と高級感のある割烹の中間という“ツボ”を突いたスタイルに、多くの人がハートをつかまれたはずです。

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まずはお通しの「イカの握り」。移転前から評判の一品ですが、お通しで握りってすごく贅沢ですよね。甘みのあるイカにやさしい味わいの餡、上にのせた柚子の香りが口内に広がります。この1皿目の美味しさが、次の料理への期待感をブースト。自然と食欲も高まります。 

迎えてくれたのは、店主の讃井真一さん(写真左から2番目)。「移転の一番の理由は、お店が手狭になったことでした。カウンターのみで席数も限られていたため、お客様をお断りすることが増えてきて……。それで思い切って移転に踏み切りました」と讃井さんは語ります。

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次に前菜より2品を注文。「あまおう、クルミの白和え」(660円)は、見た目はとてもシンプルな一品。あまおうの甘酸っぱさに、チーズをほんのり効かせたとろ〜り和え衣がコクを加えて、見事に前菜として成立しています。
続いて「穴子 炙り刺し」(1,100円)を。脂ののった穴子はぷりっぷりで、皮目を炙った香ばしさが鼻に抜けます。醤油もありますが、私は塩とすだちでシンプルにいただきました。

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さて、前菜の後は「蓮根まんじゅう ズワイガニ餡かけ」(990円)をいただきました。一口食べると、蓮根まんじゅうのとろ〜り&むっちり感がもう最高。

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そろそろ、がっつりお肉を食べたいな、と思っていたので、讃井さんおすすめの「鴨ロース 朴葉味噌焼き」(1,320円)をいただきました。朴葉の香りと味噌のコクが相まって、しっとりとした鴨肉の旨味をそっと押し上げてくれます。これはお酒が進む美味しさです。

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最後に、「トキシラズ」といえばこれでしょ!な一品「小さなメンチカツバーガー」(1個440円)をオーダーしました。直径8cmほどのかわいいサイズ感で、なんともフォトジェニックです。メンチカツのたっぷりの肉汁を、ふっくらとした白いバンズが見事にキャッチ。“あとちょっとだけ食べたいな”という時のお腹と気持ちをしっかり満たしてくれる、シメの最適解ではないでしょうか。

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メニューを見ていると、あれもこれも食べたいものがまだまだたくさん。 “居酒屋以上、割烹未満”という可能性を押し広げ、これからどんな料理で楽しませてくれるのか、新生「トキシラズ」の今後に目が離せません。早くも次の訪問が楽しみです!

「トキシラズ」の詳しい情報はコチラ

一口ごとに鮮烈な味わいが広がる、自由な民族料理×ワイン Mon an(モン アン)

大人のムードが漂うけやき通りにある「Mon an」。大手門の焼鳥店「鳥次」が手がけるエスニック料理とワインをテーマにした「mon an Ethnic」としてスタートし、2021年から初代料理長・水田さんの店「清喜」系列の店となり「Mon an」と店名を改めメニューを一新。ますます人気が高まっていると聞き、お邪魔してきました。

2021年に「清喜」系列店になってから総料理長を任されている北里卓也さん(写真右)は、ビストロで腕を磨いた料理人。フレンチとエスニックって一見違うジャンルのようですが……「そもそもフランスも異国文化と混じり合う土地。ビストロ時代から、北アフリカの焼きなすのムースであるババ・ガヌーシュや中東のひよこ豆のコロッケ・ファラフェルなどはよく作っていました」と北里さん。それをヒントに「エスニック」の解釈をアジアから広げ、ヨーロッパ、南米、地中海沿岸、中東などの世界の民族料理を味わえるようメニューを一新。さらに「清喜」系列らしく肉のランクもアップしています。

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また北里さんの奥様の由妃子さん(写真中央)は、レバノンやジョージアなど中東のワインに造詣が深いソムリエ。ワインはナチュラルワインからクラシックなものまで世界中からセレクトしています。さらに系列店「餃子のおそ松」(六本松)から料理人の末山克行さん(写真右)が加わり、3人で店を切り盛りしています。

突き出しの「ミャンカム」は、「mon an Ethnic」時代からの名物。タイの宮廷料理で、エゴマの葉の上にチャツネや鶏肉の甜麺醤、ココナッツ、ネギ、ナッツなどがのっていて、手で葉を巻いてパクリといただきます。噛む場所が変わる度に風味も変化する、口の中をさっぱりとしてくれる“ハーブスナック”です。

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その次にいただいたのは「炙り〆め鯖と青唐辛子・パクチーのサラダ」(1,540円)。中国のサラダ・老虎菜(ラオフーツァイ)をベースにしたサラダでパクチーがたっぷり! 塩とレモンでマリネして唐辛子を効かせたシンプルなサラダなのですが、これがクセになる味わいなんです。

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お肉も食べたくなり「牧草牛のフィレステーキ」(100g2,640円〜/写真は200g)をオーダー。フライパンとサラマンダーで交互に焼くことでしっかり焼きの香りをつけた芳しいステーキは、肉の旨味をガツンと楽しめます。アルゼンチンのバーベキューソース「チミチュリ」をつけていただくと、パセリとビネガーのさっぱりとしたソースが肉の甘味を際立たせます。自家製粒マスタードも美味でした。

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シメに味わいたいのが「木下牛のフォーボー」(1,650円)。「清喜」で味わえる希少な木下牛をこちらでも味わえるのは嬉しいですね。 鶏ガラと木下牛を合わせた澄んだスープは、さっぱりしているけれど奥深いコクが広がる絶品スープです。ツルツルとした食感のフォーをパクチーや生のモヤシと一緒にかきこむようにいただきました。

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「あえて味を均一にまとめるのではなく、一口食べるごとに味わいが変わる、民族料理の楽しさを感じてもらえたら」と北里さん。今まで知らなかった味と出会える、刺激的な食体験を約束してくれるお店です。

「Mon an(モン アン)」の詳しい情報はコチラ

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