詩人・谷川俊太郎の個展、
熊本市現代美術館で開催中

公開日

muto編集部

谷川俊太郎展 東京オペラシティ アートギャラリーでの展示風景
2018年 撮影:木奥惠三

本展は、2018 年に東京オペラシティアートギャラリーで開催された「谷川俊太郎展」をベースとし、熊本会場ならではのアレンジと新たな展示内容を加え再構成する公立美術館で初の谷川俊太郎の大型個展です。

詩人・谷川俊太郎

谷川俊太郎は 1952年に詩集『二十億光年の孤独』で鮮烈なデビューを果たしました。

感傷や情念とは距離をおく軽やかな作風は、戦後の詩壇に新風をもたらします。
「鉄腕アトム」の主題歌、『マザー・グースのうた』や『ピーナッツ』の翻訳、市川崑監督による映画「東京オリンピック」の脚本、武満徹ら日本を代表する音楽家との協働などでも知られる谷川は、88歳の現在も、読み手一人一人の心に届くみずみずしい言葉によって 多くの人を魅了し続けています。

谷川俊太郎 展

photo: 深堀瑞穂

実生活の喜びやいたみから詩を紡ぎ出してきた谷川は、60年以上にわたるその仕事のなかで詩と言葉の可能性を広げてきました。本展では谷川の詩「自己紹介」(2007)を起点に、谷川の幅広い創作活動のほか、それらにまつわる資料や交友関係、親しんできた音楽、コレクション等を紹介することで、詩人の創作の背景にも 光をあてます。

谷川俊太郎展 東京オペラシティ アートギャラリーでの展示風景
2018 年 撮影:木奥惠三

[自己紹介]
20行からなる谷川の詩「自己紹介」に沿って、20のテーマごとに谷川にまつわるものごとを展示、私たちが知っているはずの谷川俊太郎像を見つめ直します。会場には20行の詩を1行ごとにしるした柱があらわれ、谷川が影響を受けた音楽や「もの」、家族写真、大切な人たちとの書簡、ラジオのコレクション、暮らしの断片、知られざる仕事などが選りすぐりの詩作品とともに展示されます。

谷川俊太郎 展

谷川俊太郎展 東京オペラシティ アートギャラリーでの展示風景2018年
撮影:木奥惠三

[年譜]
谷川俊太郎の誕生から現在までの軌跡を、二十数メートルに及ぶ長大な年譜で振り返ります。

谷川俊太郎展

谷川俊太郎展 東京オペラシティ アートギャラリーでの展示風景 2018年
撮影:木奥惠三

[3.3の質問]
谷川が1986年に出版した『33の質問』(ノーマン・メイラーの「69の問答」にちなんで33の質問を作り、7人の知人に問いかけをしながら語り合う)がもとになっています。本展示ではその現代版として、当初の33の質問から谷川が3問を選び、新たに「0.3の質問」を加えて「3.3の質問」を作りました。これらを各界で活躍する人々に投げかけ、その回答を作品として展示します。シンプルな問いに、回答者のどんな世界観が見えてくるのでしょうか。

小山田圭吾、中村勇吾とのコラボにも注目

また本展のために書かれた新作の詩や、音楽家 小山田圭吾(コーネリアス)・インターフェイスデザイナー 中村勇吾とのコラボレーションを通じて、美術館の空間ならではの詩の体験の展開を試みます。

《ここ / いるか / かっぱ - Installation for TANIKAWA Shuntaro
Sound : Keigo Oyamada (Cornelius)
Voice : Shuntaro Tanikawa & Friends
Movie : Yugo Nakamura / Koji Takahashi / Tsukuru Asada
COPYRIGHT ©THA LTD. ALL RIGHTS RESERVED.

[音と映像による新たな詩の体験]
展覧会の始まりは小山田圭吾(コーネリアス)の音楽とインターフェイスデザイナー中村勇吾(tha ltd.)の映像による、谷川俊太郎の詩の空間です。名作絵本『ことばあそびうた』で知られる詩「かっぱ」など、谷川のことばに内在するリズムと小山田の音楽との出合いをお楽しみください。谷川の声をまじえた音と映像のコラージュは、谷川の詩を浴びるような、新たな詩の体験を生みます。

この展覧会は、谷川俊太郎の膨大な仕事を振り返る機会となるとともに、いまなお新たな挑戦を続ける現在進行形の谷川俊太郎の活動に触れる場となります。

谷川俊太郎(たにかわ・しゅんたろう)

1931年東京生まれ。詩人。1952年第一詩集『二十億光年の孤独』を刊行。1962年「月火水木金土日の歌」で第四回日本レコード大賞作詞賞、1975年『マザー・グースのうた』で日本翻訳文化賞、1982年『日々の地図』で第34回読売文学賞、2005年『シャガールと木の葉』『谷川俊太郎詩選集1〜3』で第47回毎日芸術賞、2010年『トロムソコラージュ』で第1回鮎川信夫賞、2016年『詩に就いて』で第11回三好達治賞、2019年国際交流基金賞、澄和Futurist賞など、受賞・著書多数

展覧会名

「谷川俊太郎展」

開催期間

2020年6月27日(土)~ 9月6日(日)

会場

熊本市現代美術館 ギャラリーⅠ・Ⅱ
〒860-0845 熊本県熊本市中央区上通町2番3号

開館時間

10:00 ~ 20:00
(展覧会入場は19:30まで)

休館日

火曜日

チケット販売

一般: 1,100(900)円
シニア(65歳以上): 900(700)円
学生(高校生以上): 600(500)円
中学生以下: 無料
※()内の金額は、前売料金/20名以上の団体/各種障害者手帳(身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳、被爆者健康手帳等.付き添いの方1名も適用)、電車・バス1日乗車券等、JAF会員証、緑のじゅうたんサポーター証を提示された方
※美術館友の会証をご提示の方無料(1展覧会につき1回限り)

主催

熊本市現代美術館[熊本市・公益財団法人 熊本市美術文化振興財団]、熊本日日新聞社

お問い合わせ

096-278-7500
(電話受付時間:10時~20時)

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