マイルドハイブリッド付きディーゼルを新設定
ジャガーF-PACEがマイナーチェンジ

公開日

ライター 高橋陽介

ジャガー史上初のSUVモデルとして、2016年に発売が開始されたF-PACEがマイナーチェンジ。内外装のリファインに加え、パワーユニットのラインナップにも変更が行われています。

ディテールに磨きがかけられたエクステリア

2015年のフランクフルト・モーターショーにおいて華々しいデビューを飾ったジャガーF-PACE(日本への導入は翌年から)。全体の約80%にアルミニウムが使用された流麗かつダイナミックなフォルムはユーティリティや走破性など、SUVに求められる機能を高次元で両立させたもので、2017年のワールドカーデザインオブザイヤーにも輝いている。
今回のマイナーチェンジは発売開始以来、初めてとなる大掛かりなものだが、その内容は「これ見よがし」的な主張はあえて抑えられ、あくまで正常進化というスタンスを堅持。まずエクステリアではボンネットとフロントグリルの間のパーティングラインを無くし、フード先端部を延長させることで、滑らかな一体感を演出。LEDヘッドライトは内部の「Jブレード」が分割2連式となり、リアコンビネーションランプはI-PACEから投入が開始された、サーキットのシケインをモチーフとした発光部デザインに一新。この他、細かい部分では、グリル内のメッシュ部分がジャガーのモノグラムパターンに変更されている。

SUVの基本文法に則りながらも、誰の目にもジャガーと分かるフォルムは、今見ても新鮮。撮影車両は専用のボディキットが与えられたRダイナミックSEグレード

ボンネットとフロントグリルとの間を横切っていたパーティングラインが無くなり、すっきりとした印象に。LEDヘッドライト内の「ダブルJブレード」も新たに採用されたもの

ダブルシケインと呼ばれる波型ラインが取り入れられたリアLEDライト。ちなみに「シケイン」とは、このラインのようにクランク状のレイアウトが行われた、サーキット内における減速区間のこと

パワーユニットは2リッター直列4気筒が主力に

エンジンは2リッター直列4気筒のガソリン(P200)/ディーゼルターボ(D200)、フラッグシップモデル「SVR」専用の5リッタースーパーチャージャー付きV型8気筒という3タイプ。このうち、ディーゼルターボにはスムースかつ力強い走りをアシストする、マイルドハイブリッド機構が新設定。最高出力も204馬力と、従来のディーゼルターボモデルと比較して20馬力アップ。静止状態から100km/hまでの加速は8秒と、2リッターガソリンモデルにも迫る優れたポテンシャルを備えている。
その他、インテリアや装備面についてはインパネ中央部への11.4インチのタッチスクリーンの採用に伴い、センターコンソール周辺の形状を変更。特徴的だったロータリーダイヤル式のシフトセレクターはオーソドックスなレバー式となり、空調のコントロールスイッチ類もフラットなタッチパネル内に集約させるなど、シンプルかつ上質な雰囲気に仕上がっている。オーディオ、カーナビ関連についてはジャガー独自の「PiviPro」と呼ばれるインフォテインメントシステムを採用。スマホとの連動もスピーディで、センターパネルから各種メニューの直感的な操作が可能となった。

落ち着いた佇まいの中に、最新のドライバーサポートシステムや、快適性を高めるコネクテッド技術を搭載。ネットとの常時接続が可能なオンラインパックもオプション設定されている。キーケースに代わるリストバンド型のアクティビティキーもオプションで選択可能

ロータリーダイヤル式からレバー式に変更されたシフトセレクター。表皮のステッチはイングランド発祥の球技であるクリケットのボールをモチーフとしたものだという

取材車両のRダイナミックSEには、各部のフィット感を細かく調整できる16ウエイパワーシートが標準装備。ヘッドレストにはジャガーリーパーのエンボス加工も施されている

スイッチ式からタッチパネル式に変更された空調コントロール。上部に記されているコヴェントリーとは現在のジャガー本社の所在地。1935年はジャガーの名を冠した車が初めて誕生した年で、創設者ウイリアム・ライオンズがその前身であるスワローサイドカー社をイングランド北西部、ブラックプールに立ち上げたのはここからさらに前、1922年にまで遡る

キレのある走りの中に垣間見える、名門の血統

今回の取材のために、降ろしたての新車を用意してくれたのは、福岡空港そばの正規ディーラー、ジャガー・ランドローバー福岡。グレードはディーゼルターボを搭載したRダイナミックSE―D200で、オプションの21インチホイールが装着されている他、グリルフレームやウインドウ周りのクローム部分をブラックアウトしたブラックパック仕様車。新たに採用されたマイルドハイブリッドの効果で、アイドルストップ状態からの復帰はいたってナチュラル。8速ATによるシームレスな加速フィールも車格にふさわしいもので、スポーティな乗り味はボディサイズや車重を忘れさせるほど。
今や国内外を問わず、最大規模のマーケットとなりつつあるSUVカテゴリーだが、今回のマイナーチェンジによりF-PACEへの注目度は、確実にこれまで以上に高まるはずだ。

最高出力204馬力、最大トルク430Nmを発揮するオールアルミ製インジニウム4気筒ディーゼルターボ。駆動方式はAWD(全輪駆動)だが、通常走行時はRWD(後輪駆動)ベースで、路面状況に応じてフロント側にも駆動力を伝達するトルクオンデマンド型システムを採用

周囲の安全確認に便利な3Dサラウンドカメラを標準装備。近隣の駐車スペースを探し、駐車操作も自動的に行うパークアシストもオプションで設定

21インチサイズのホイールはオプション。標準では20インチとなる。レッドカラーのブレーキキャリパーも、オプションのダイナミックハンドリングパック内のアイテムの一つ

ジャガー F-PACE RダイナミックSE
全長×全幅×全高(mm) 4747×2175×1664
車両重量(kg) 1876
エンジン  直列4気筒ディーゼルターボ
総排気量(cc) 1997
最高出力  204PS/4250rpm
最大トルク 430Nm/1750〜2500rpm
トランスミッション 8速オートマチック
サスペンション (前)ダブルウィッシュボーン(後)インテグラルリンク    
車両本体価格 ¥8,100,000

Interviewee

店舗名

ジャガー・ランドローバー福岡

住所

〒812-0041 福岡県福岡市博多区吉塚8-8-40

営業時間

10:00〜19:00

定休日

水曜日、第2木曜日

お問い合わせ

092-292-3300

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