住む憧れ「グランドメゾン」の人気の理由。
個人邸宅から教会、墓地など、イタリア全土を網羅した140点以上のコンクリート建造物を収録した一冊
生の素材や構造要素を優先するミニマリズムの美学を持つブルータリズムは、イタリアで独自の進化を遂げました。自然と絵画のような街並みが美しく共存するイタリアの街並みの後ろ側で、 “後背地(ヒンターランド)”と呼ばれる「集中的に整備されている」「工場が点在していた」エリアがあります。
そのそばで生まれ育った著者たちが、廃墟と化していった巨大な工業用地の荒れ果てた建造物に魅了され、その姿を写真に収めました。 “美しい”あるいは“醜い”といった二値分類に当てはまらない建造物であるブルータリズム建築(もっと広い意味でいうとコンクリート打放しの建物)。
『イタリアのブルータリズム建築』グラフィック社
「それぞれがポストカードに印刷されているのとは異なるイタリアの姿を表現している。鉄筋コンクリートによって具現化されたこれらの建造物は、勇気と、ちょっとした狂気と、ユートピアを追い求める気持ちの産物なのだ。」と、著者は語ります。
ブルータリズム建築
構造はまったく違うのに、視覚的特徴(時には触覚的要素)が関連しているものもあったため、イタリア全土に点在するブルータリズム建築物を探索し、その歴史、手がけた建築家や施工時期についての情報をできる限り調査しました。
目次
著者プロフィール
ロベルト・コンテ(編集・写真)
1980年生まれ。2006年に写真を撮り始める。現在、建築設計事務所、アーティスト、デザイナーと連携し、アバンギャルド様式、戦後のモダニズム、ブルータリズム、現代建築と、20世紀の建築物の記録に取り組んでいる。2019年に『ソビエトアジアの建築物』を共同出版。
ステファノ・ペレゴ(編集・写真)
1984年生まれ。2006年、廃墟となったミラノの産業用地の写真を撮り始め、以後、ヨーロッパ中の廃墟を何百箇所と記録している。旧ユーゴスラビアを訪れたことをきっかけに、近年、かつての社会主義国のモダニズムおよびブルータリズム建築の撮影に専念している。2019年に『ソビエトアジアの建築物』を共同出版。
INFORMATION
書名
イタリアのブルータリズム建築 無骨ながらも美しいコンクリートデザイン
出版社
株式会社グラフィック社
編集・写真
ロベルト・コンテ、ステファノ・ペレゴ
翻訳
石田亜矢子
発売日
2024年7月
仕様
A5変形 並製 総200頁
ISBN
978-4-7661-3895-5
定価
2,750円(10%税込)