【タイ再発見#03】タイ北部の町をSeek(探索)してみた

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muto編集部

今年の「TTM+2025」でタイ国政府観光庁総裁が「主要都市バンコク、チェンマイ、プーケットだけの誘客ではなく、Hidden destination(まだ知られていない魅力ある都市)への誘客にも注力したい」と話していたことを受け、このツアーではタイ北部の県、「ランパーン」「プレー」「ナーン」にも訪れました。最終章となる【タイ再発見#03】は、そんなタイのローカル3県を紹介します。

タイ国営鉄道でチェンマイからランパーンへ

私たちが最初に目指したのはチェンマイの南東約100kmに位置するランパーン県。こちらへの移動手段でオススメなのが国営鉄道。チェンマイ駅からランパーン駅までは特急で2時間以内で移動することができます。タイの田園風景や牧歌的な町並みを車窓から眺めながら、快適な鉄道の旅が楽しめます。

チェンマイ中心部から少し離れた場所にあるチェンマイ駅。ここからクルンテープ・アピワット中央駅(旧バンコク駅)までは、通常1日12本定期旅客列車が発着する

チェンマイ駅から特急で2時間弱ほどでランパーン駅へ到着。駅ではランパーン名物の一つ「鶏の陶器」がお出迎えしてくれる

ランナー王朝の文化が色濃く残る陶器と花馬車の町「ランパーン」

チェンマイに隣接するランパーンは、歴史的遺産が残る素朴で落ち着いた雰囲気のある町で、陶器の産地としても有名。また“馬車の町”としても有名で、タイで唯一、馬車が今も日常の交通手段として使われている町です。市内では観光用の馬車「花馬車」に乗ることができ、のんびりと古都観光ができます。かつて交易の中心エリアだった「カード・コン・ターストリート(Kad Kong Ta Street)」では、週末限定でウォーキングストリートマーケットも実施。ランパーン最大のこのマーケットには地元の人々や観光客が多く訪れます。

鶏の絵が描かれた「ランパーン焼(Lampang Ceramics)」の製造工程が見学できる「Dhanabadee Ceramic Museum(ダナバディ・セラミック・ミュージアム)」。ここでは職人の精緻な技術の見学だけでなく、絵付体験のワークショップも実施している

ビルマやヨーロッパとの木材の交易で栄えたランパーンは木材の運搬を馬車で行っていたという歴史があり、その影響が今の馬車文化につながっている。観光馬車「花馬車」はランパーン市内を15分〜1時間かけて巡ることができる

ラチャダーピセーク橋のたもとから始まるウォーキングストリートマーケットは毎週末の17時ごろから21時ごろまで開催している。19世紀末〜20世紀初頭の木造建築や中華様式の商家が立ち並ぶ道沿いには飲食店やマッサージ店、ランパーンの名物ミャンカム(写真右下)のお店などが軒を連ねる

ランパーン県メータ郡のパータン地区の山頂にある寺院「ワット・プラタート・ドイ・プラチャーン」。ランパーンの田園風景が大パノラマで眼前に広がるこの由緒ある寺院には……

高徳院の“鎌倉大仏”を模した大仏がある。大仏の周りにお稲荷さんがいたり、某アニメのキャラクターがいたりとなんだか不思議な空間があるのもご愛嬌

フォトジェニックなスポット満載なプレー県

ランナー王国の頃、木材産業や絹織物の中心地として栄えたプレー県には、元王族(プレー公爵)の邸宅で現在は歴史博物館となる「クム・チャオ・ルアン」をはじめ、19世紀末の木造コロニアル建築が点在しています。また、“タイのグランドキャニオン”と呼ばれる奇岩群の景勝地「ペー・ムアン・ピー」などの、豊かな自然にも見どころとなっています。静かに暮らすように観光したい人にオススメの場所です。

おしゃれなカフェが多いプレーでも人気が高い「Charlotte Hut Coffee & Tea Bar(シャーロット・ハット・コーヒー・アンド・ティー・バー)」。クオリティの高いスイーツはもちろん、緑あふれる店内も魅力

19世紀末の木造コロニアル建築が美しく、当時の暮らしぶりが分かる貴重な文化財となっている「クム・チャオ・ルアン」。上階のベランダ部分や壁には、ランナー様式の緻密な木彫装飾が施され、花模様や植物モチーフなど、手仕事の美しさが随所に見られるのが特徴

ピンクを基調にした華やかな色使いが印象的な「ウォンブリー・ハウス・ミュージアム」。プレー県を統治した最後の王族が暮らした邸宅を博物館にしたこちらでは、細かい木彫り装飾のほか、当時の家具や調度品が現在も飾られている

侵食によって生まれた奇岩地帯「ペー・ムアン・ピー」は、 直訳すると「幽霊の町の崖」という意味になり、かつて地元の人々が“霊が住んでいる”と信じていた場所。柔らかい土壌が削られ、固い層が残ってできたキノコ状や塔のような土柱・奇岩群が立ち並ぶ、まるで異世界のような不思議な光景が印象的

ラオスとの国境沿いに位置する仏教文化の町・ナーン

今回、最後に訪れたのは、モン族やタイ・ルー族など、多様な少数民族の文化が根付く“北部の秘境”ナーン県。この地域には独特の仏教美術が見られる寺院が多く、タイ北部の精神文化を感じる場所です。中でも有名なのは「ワット・プーミン」で、本堂内にある壁画「囁く恋人たち(フークカン)」は、さまざまな土産物のモチーフにもなっています。また、アクティビティでは「バーン・ボー・スアック・コミュニティ」でのハーブ蒸しやバーン・ノーン・カムでのマータオランタン作りを体験。タイの歴史と文化に触れることができました。

1596年に当時のナーン統治者プラチャオ・ジェッタブットプロミンによって建てられた「ワット・プーミン」。ナーンで最も有名な寺院の一つで、堂内の壁にはランナーのモナリザと呼ばれる「囁く恋人たち(フークカン)」が描かれている

ナーンのランドマークとして有名なのが「ワット・プラタート・カオノーイ」。標高約240m、カオノイと呼ばれる山の頂上にある寺院で、高さ9mの仏像がそびえ立つ展望台からはナーン市内の景色が一望できる

さまざまなワークショップやホームステイなどを実施する「バーン・ボー・スアック・コミュニティ」でハーブ蒸しを体験。ショウガをはじめとしたさまざまな生薬を使い、顔に蒸気を当てることで発汗を促しリラックスさせるというもの。簡易サウナのようで、終わった後はすっきりとした気分に

地元の方々に教わる「マータオランタン作り」も体験。会場に着くと民族舞踊での歓迎を受け、ありがたいやら恥ずかしいやら……。体験はあらかじめ骨組みされたものに紙を貼り付けるという簡単なもので30分程度で完成。完成したランタンは寺院に奉納した

タイ北部の探索を振り返って

「タンチットヌソン市場」で托鉢をする若い僧侶たち

タイ北部の都市・チェンマイからランパーン、プレー、ナーンを探索した今回の旅。それぞれの町で全く違う風景や文化に触れ、タイの奥深さを体感することができました。また、どの地域も治安が良く、一人旅や女子旅の候補地としてもオススメです。穏やかなタイの人たちの心に触れる旅をぜひ楽しんでもらいたいと思います。

今回はあまり紹介できなかったそれぞれの町の食についても、機会があれば紹介したいと思います。では、またタイを訪れる機会があることを願って……。。

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