九州出身の劇作家と俳優が描く九州男児劇[spotlight page 1]

九州男児を主役に描く人生の春夏秋冬

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© トミタユキコ

作・演出、俳優全てが九州男児で、モチーフや舞台も九州というメイドイン九州の舞台「せなに泣く」が間もなく開幕する。本作は、北九州芸術劇場の開館15周年の節目に挑む新たなプロデュース公演で、熊本県出身の劇作家・演出家の田上豊(田上パル)が“九州男児”をモチーフに書き下ろした新作。九州出身の8名の俳優たちと共に、約1カ月半北九州に滞在し、制作した。

タイトル「せなに泣く」には、背中で泣く、世間に泣く、生=生きることに泣くといったモチーフを込め、児童養護施設で親の背中を見ることなく育った5人の男たちのドラマを軸に、社会や時代との狭間で葛藤する男たちの揺らぎや痛み、仲間との絆の物語を、田上作品ならではの疾走感と熱量、ユーモアを交えて描き出している。

作・演出の田上豊は、「九州男児の熱さというものをずっと考えていくと、近代化が進み、ITの時代へ移行する中で、九州男児という特性を持つ人間像というものはやっぱり時代に合わなくなってきているのではないか。そこには何かしらの痛みも伴っているのでは」というところから着想し、親の愛を直接的には受けられず、運命に立ち向かいながら育つ子どもたちを絡めつつ、「存在は知っているけれど実際に接してみないと分からない、痛みを伴うような弱者といわれるもの」を演劇作品として描き出した。
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物語は、現在から出発し、昭和から平成にかけての時代を、今と過去を行き来しながら重層的に描く。その物語に寄り添うテーマ曲は、メンデルスゾーンのピアノトリオ第1番と第2番、通称メントリという曲。表情の違う4つの曲から成る4部構成の印象に合わせて劇も作られていく。

企画から公演まで約3年かけてじっくりと作られてきた本作は、時代とともに移り変わってきた九州男児像を、時代の変わり目である今だからこそできる切り取り方で鮮やかに描き出している。今という時代を見つめ直す上でもエポックメーキングになりそうな本作を観に、北九州に出かけてみたい。
INFORMATION
名称北九州芸術劇場プロデュース/九州男児劇 「せなに泣く」
日時2018年11/29(木)・30(金)19時、12/1(土)13時、18時、12/2(日)13時
会場北九州芸術劇場 小劇場(北九州市小倉北区室町1-1-1-11 リバーウォーク北九州)
WEBhttp://q-geki.jp/
出演有門正太郎(有門正太郎プレゼンツ)、ぎたろー(コンドルズ)、椎木樹人(万能グローブ ガラパゴスダイナモス)、寺田剛史(飛ぶ劇場)、日髙啓介(FUKAIPRODUCE羽衣)、荒木宏志(劇団ヒロシ軍)、河内哲二郎、五島真澄(PUYEY)
チケット北九州芸術劇場 プレイガイド(10:00〜19:00)、オンライン、TEL 093-562-8435(10:00~17:00/土日祝を除く)、チケットぴあ 0570-02-9999(Pコード:484-046)、ローソンチケット 0570-084-008(Lコード:85123)
料金日時指定・全席自由 一般3,000円、学生2,500円(小~大学生/要学生証提示)、高校生〔的〕チケット1,000円(枚数限定/劇場窓口にて前売のみ取扱い/要学生証提示)
※当日各500円増
※未就学児入場不可(託児あり/公演日の7日前までに劇場へ申込)

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