ソフィ・カル―最後のとき/最初のとき[spotlight page 1]

執拗な好奇心に導かれた驚くべき制作プロセスによってうみだされる
カルの作品は、常に観るものの感情を強く揺さぶる。

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1.《海を見る》(部分)2011年、ヴィデオ・インスタレーション
©Sophie Calle / Adagp, Paris, 2016 Courtesy Galerie Perrotin and Gallery Koyanagi

写真と言葉を用いた物語性の強い作品で知られるフランスの現代美術家、ソフィ・カル(1953年、パリ生まれ)。ロンドンのテート・ギャラリー(1998年)やパリのポンピドゥー・センター(2003年)で個展が開催されたほか、2007年には第52回ヴェネツィア・ビエンナーレにフランス代表として参加するなど、国際的に活躍するアーティストです。
固有のルールに従って現実と虚構を織り交ぜて紡ぎ出されるソフィ・カルの作品は、その大胆かつ奇抜な制作プロセスや、時には内容のあまりの赤裸々さによって見る者をたじろがせますが、そこに提示されるのは、常にアイデンティティやコミュニケーションといった、誰もが生きていく上で向き合う普遍的なテーマにほかなりません。
「ソフィ・カル―最後のとき/最初のとき」と題した本展は、ソフィ・カルの長年のテーマである「見ること」をめぐる三つのシリーズで構成するものです。生まれつき盲目の人々に「美しいものとは何か」を問うた《盲目の人々》(1986年)。人生の途上で失明した人々に「最後に見たもの」について語らせた《最後に見たもの》(2010年)。貧しさゆえに海を見たことがなかった人々が生まれて初めて海を見たときの姿をとらえた《海を見る》(2011年)。これらの作品は、私たちに「見ること」、あるいは「不在」や「喪失」などについて、静かに思考する機会を与えてくれるでしょう。

※《盲目の人々》(全23点)は、前期・後期に分けて約半数ずつ全作品を展示いたします。
[前期|2月6日(土)~29日(月)、後期|3月1日(火)~21日(月・祝)] ※2月29日(月)は展示替えのため18:00に閉場します。
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2.《盲目の人々― no.1》1986年、カラー写真、テキスト、額 豊田市美術館
©Sophie Calle / Adagp, Paris, 2016 Courtesy Galerie Perrotin and Gallery Koyanagi

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3.《海を見る》(部分)2011年、カラー写真
©Sophie Calle / Adagp, Paris, 2016 Courtesy Galerie Perrotin and Gallery Koyanagi

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4.《海を見る》(部分)2011年、ヴィデオ・インスタレーション
©Sophie Calle / Adagp, Paris, 2016 Courtesy Galerie Perrotin and Gallery Koyanagi

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5.《最後に見たもの―盲目の人とライフル》(部分)2010年、カラー写真
©Sophie Calle / Adagp, Paris, 2016 Courtesy Galerie Perrotin and Gallery Koyanagi

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6.《最後に見たもの―盲目の人とソファ》2010年、カラー写真、テキスト、額
©Sophie Calle / Adagp, Paris, 2016 Courtesy Galerie Perrotin and Gallery Koyanagi Photo: André Morin

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7.《最後に見たもの―盲目の人と刺繍》2010年、カラー写真、テキスト、額
©Sophie Calle / Adagp, Paris, 2016 Courtesy Galerie Perrotin and Gallery Koyanagi Photo: André Morin

開催概要

展覧会名ソフィ・カル―最後のとき/最初のとき
会期2016年2月6日(土)〜3月21日(月・祝)
開館時間10:00〜20:00(最終入場は閉場30分前)
※2月29日(月)は展示替えのため18:00閉場
会場長崎県美術館 企画展示室
休館日2月8日(月)、22日(月)、3月14日(月)
観覧料一般 1,000(900)円、大学生・70歳以上 800(700)円、高校生 600(500)円、中学生以下無料
※( )内は15名以上の団体割引料金。
主催長崎県美術館
後援在日フランス大使館/アンスティチュ・フランセ日本、在長崎フランス名誉領事館、長崎日仏協会、長崎県、長崎県教育委員会、長崎市教育委員会、長崎県立長崎図書館、長崎市立図書館、長崎新聞社、西日本新聞社、朝日新聞社、毎日新聞社、読売新聞西部本社、NBC長崎放送、KTNテレビ長崎、NCC長崎文化放送、NIB長崎国際テレビ、長崎ケーブルメディア、エフエム長崎
協力原美術館、ギャラリー小柳

ソフィ・カル プロフィール

1953年パリ生まれ。10代の終わりから7年間放浪生活を送り、26歳でパリに戻る。その頃より制作を始め、1980年より展覧会へ出品。以後、ロンドンのテート・ギャラリー(1998年)やパリのポンピドゥー・センター(2003年)での個展の他、各国の主要美術館において個展を開催。第52回ヴェネツィア・ビエンナーレ(2007年)に参加するなど、フランスを代表するアーティストの一人。日本では、「限局性激痛」(原美術館、1999年)や豊田市美術館での個展(2003年)、そして本展の基となった原美術館での「ソフィ・カル―最後のとき/最初のとき」(2013年)と、「脱走する写真―11の新しい表現」(1990年、水戸芸術館現代美術ギャラリー)、「移行するイメージ:1980年代の映像表現」(1990年、京都国立近代美術館、東京国立近代美術館)などのグループ展で紹介されている。

関連企画

(1) 講演会「イメージと言葉がアートになるとき―ソフィ・カル 真実と嘘のはざまで」
日時:2月14日(日)14:00~15:30(13:30 開場)/会場:ホール/講師:岡部あおみ(美術評論家、パリ日本文化会館展示部門アーティスティック・ディレクター)/定員:先着100名/料金:無料(要本展観覧券)

(2) レクチャー「ソフィ・カル―『不在』をめぐって」
日時:3月5日(土)14:00〜15:00(13:30 開場)/会場:ホール/講師:福満葉子(長崎県美術館学芸専門監)/定員:先着100名/料金:無料(要本展観覧券)

(3) 担当学芸員によるギャラリートーク
日時:2月28日(日)、3月6日(日)、3月13日(日)14:00~/会場:企画展示室/料金:無料(要本展観覧券)

(4) 映画上映会
「Sophie Calle: Untitled(ソフィ・カル: アンタイトルド)」 ビクトリア・クレイ・メンドーサ監督(2012年/52分/日本語字幕付)ソフィ・カルの活動に密着したドキュメンタリー映画を上映します。/日時:2月20日(土)、2月21日(日)、3月6日(日)15:00〜16:00(14:30 開場)/会場:ホール/定員:先着100名/料金:無料(要本展観覧券)

(5) 見える人と見えない人がつくる美術鑑賞講座
日時:2月28日(日)10:30~12:00(10:00 開場)/会場:ホール/講師:林建太、木下路徳/定員:先着80名 ※聴講無料

「視覚障害者とつくる美術鑑賞ワークショップ」とは
障害の有無にかかわらず、多様な背景を持つ人が集まり、ことばを交わしながら一緒に美術を鑑賞するワークショップです。さまざまな視点を持ち寄ることで、1人では出会えない新しい美術の楽しみ方を発見できるはず。誰もが気軽に美術館を訪れて、感じていることや印象、経験や考えを自由に語り合う、そんな美術鑑賞スタイルを目指しています。毎月1回、都内近郊を中心に全国各地の美術館で開催しています。

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