LGの政治の季節。「さらば映画よ。これから、政治の時代を始める」[spotlight page 1]

ジャン=リュック・ゴダール+シガ・ヴェルトフ集団

no04_pickup02_01

ありきたりの映画
©1968 Gaumont – Productions de la Guéville

フランスヌーヴェル・ヴァーグの旗手として長編デビュー作「勝手にしやがれ」(1959)で世界の表舞台に登場したジャン=リュック・ゴダール。デビューから半世紀、一昨年に公開された最新作「ゴダール・ソシアリズム」(2010)でも奇跡的なみずみずしさを画面に漂わせる作品を80歳をこえてもなおつくり続けている。
そのゴダールのキャリアの中でこれまで紹介されることが少なかった、通称「ゴダール、政治の季節」時代の作品を集めた「ジャン=リュック・ゴダール+シガ・ヴェルトフ集団Blu-ray BOX」が発売される。
初期の「勝手にしやがれ」や「気狂いピエロ」などでアンナ・カリーナの魅力と芳香をスクリーンに散りばめていた時期を経て、ゴダールは一気に政治=映画の時代へと入っていく。時は、ヴェトナム戦争、公民権運動、パレスチナ闘争の時代。当時、パリ5月革命を予言したといわれた「中国女」を発表後、ゴダールは商業映画界からの決別を宣言する。新しい形態の映画制作組織「シガ・ヴェルトフ集団」を結成し、映画の作り直し作業をはじめる。

今回発売されるDVDセットにはその後、1979年に「勝手に逃げろ/人生」で商業映画に復帰するまでのゴダールとシガ・ヴェルトフ集団の先鋭的な作品が収められている。中でも注目は、日本初リリースとなる3作品。

1)大学を占拠する学生と、機動隊と衝突する民衆にせまったシガ・ヴェルドフ集団の第1作である「ありきたりの映画(UN FILM COMME LESAUTRES)」
2)プロットを排除し革命を目指す若者達が語る闘争と言葉遊びの羅列によるストイックな映像言語を探索した「たのしい知識(LE GAI SAVOIR)」
3)ヴェトナム戦争時の徹底的な反米思想をあらわにした問題作「ウラジミールとローザ(VLADUNUR ET ROSA)」

また全6作品に加え、120分におよぶゴダールのインタビューや、黒沢清、菊地成孔、堀潤之による作品解説が載ったオリジナルブックレットも付いている。

政治の季節は終わり、商業映画に復帰したゴダールはその後、映画によって映画自体を思索し解体する作業をより孤独に、爆発的な密度によって深めていく。圧倒的な映像と音響による最近のゴダールの映画は、ゴダールただ一人だけが「自由」であり、「映画だけが、世界の歴史を表現できるのだ」というゴダールの口癖を自身で体現していて、もう誰も到達できない地点を歩いているようだ。
INFORMATION
ジャン=リュック・ゴダール+シガ・ヴェルトフ集団 Blu-ray BOX
価格:¥36,750(税込)、発売元:アイ・ヴィー・シー

この号のmutoをご覧になりたい方はこちらから

Feature Articles Back Numbers

Instagram

recommend

mutoが切り取った街の情報をボーダレスにピックアップ。身の回りで起こっているコト、注目のモノなどをここでチェック。

西日本初の米国専門医チームによる世界水準の歯科医院
上質な暮らしを体験する空間で、「GohGan」 Vol.08を開催
目の前で開く大輪の花に、カラダもココロも震える