福岡の街の歴史を、福岡城の全貌から迫る。[spotlight page 1]

黒田長政が築いた福岡城と、城を中心に発展した福岡をフカンする。

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福岡市では、新世紀における福岡市発展の指針とするため、また貴重な歴史資料の継承を目指して、平成16年より編さんしているのが『新修 福岡市史』。平成22年から36年にかけて計35巻の刊行を予定しているこの『新修 福岡市史』の特別編として、2014年11月に刊行されたのが『特別編 福岡城 築城から現代まで』だ。
一昔前までは、自治体史を城だけで1巻まるまる構成するなんてことはほとんどなかった。しかし、近年の研究の進歩と城の社会的認知により、金沢や仙台といった場所でも城のみで構成された自治体史が発刊されている。
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さて、今回福岡市が創刊した“城本”は、福岡城に興味がある人はもちろん、豊富な図版とともに最新の研究成果が解説されているので、城に関する知識があまりない人にも読みやすい。各郭、各城門、堀など、細部に説明があり読み応えも十分だ。
さらにこの本のポイントは、廃城になってからの福岡城、すなわち 近・現代の福岡城跡についても詳細に叙述されている点だ。城が無くなった 近現代史を城の目線で描くという斬新な手法に、研究者たちの熱い想いを感じることができる。本書のあとがきには「特に近現代についてはまとまった研究がほとんどなく、資料についてもまったく手探りの状態から始めなければならなかった」と記載するぐらいなのだから、その苦労は計り知れないものがある。
最後に、福岡城の保存整備の歴史についても、ごく最近までを対象に詳細に解説。一つの城を対象に近・現代を通して通時的に検討・叙述するのは非常に珍しいケースといえる。城郭研究に一石を投じたこの一冊は自治体史のため売り切れると増刷しない可能性が高い。目にとまった方はぜひ入手してほしい。
INFORMATION
新修福岡市史 特別編 福岡城 築城から現代まで
A4判/上製本/オールカラー/340ページ
2,500円(税込)

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